“北欧の至宝”マッツ・ミケルセンが来日し、最新主演作『さよなら、僕の英雄』の舞台挨拶付き特別先行上映会に登壇。自らをジョン・レノンと思い込む男を演じた役作りの裏側や、長年の盟友ニコライ・リー・コスとの共演エピソード、作品に込めた思いなどを語りました。(文・清水久美子 写真・久保田司/デジタル編集・スクリーン編集部)

「この映画は僕からするとすごくデンマークっぽい作品」

兄弟どちらを演じるかは話し合って決めた!?

画像: 主演最新作『さよなら、僕の英雄』の魅力を熱弁

主演最新作『さよなら、僕の英雄』の魅力を熱弁

マッツ・ミケルセン主演、アナス・トマス・イェンセン監督の最新作『さよなら、僕の英雄』の公開に先駆け、マッツが来日! 6月5日に東京・新宿ピカデリーで舞台挨拶付き特別先行上映会が開催された。これまで何度も共演しているニコライ・リー・コスと兄弟役を演じる本作で、自身をジョン・レノンだと思い込んでいる兄・マンフレルを怪演しているマッツ。かつて見たこともない独特なキャラクターに挑み、かなり危険に見えるアクションも自ら演じた。「30年前だったら、もっと楽だったのになぁ」と、お茶目に撮影を振り返るマッツ。「この映画は、僕からすると、すごくデンマークっぽい作品なんです。それを日本のみなさんに観てもらえるのは大変光栄です」と語り、6度目のタッグとなるイェンセン監督の最新作について、「アナスらしい作品で、ポエムのようなムードに包まれているけれど、狂気というものが表現されていたりもします」と解説。

画像: 劇中で演じたマンフレルの等身大パネルと並んで役作りの秘話も明かした

劇中で演じたマンフレルの等身大パネルと並んで役作りの秘話も明かした

マッツとニコライは、同時期に役者としてのキャリアをスタートしたそうだが、ちょっとビックリしたのは、「今回、兄と弟のどちらを演じるのか、ニコライと話し合って決めたんです」と明かしたことだ。「それを知って映画をご覧になると、ちょっと面白いかもしれません」と教えてくれたが、イェンセン監督作で何度も共演している2人は、お互いに深く信頼し合っているからこそ、話し合って演じる役を決めることが可能だったのだろう。それを受け入れる監督も素晴らしい。マッツ、ニコライ、イェンセン監督のコラボレーションには、いつもワクワクさせられる!

日本への愛を語るマッツ「文化を誇らしく思っている姿が素敵」

画像: “自分をジョン・レノンと思い込む男”にちなんでギターパフォーマンスも披露

“自分をジョン・レノンと思い込む男”にちなんでギターパフォーマンスも披露

ニコライと一緒に、めちゃめちゃいかれたキャラクターを演じているんですけどね(笑)」と、さらにファンの期待をふくらませるマッツ。自分をジョン・レノンだと思い込んでいるマンフレルを演じるにあたって、パーマヘアーに、メガネをかけたビジュアルは、マッツのアイデアだったという。「パーマをかけると、酷いにおいがするって知らなかったんです。妻は非常に嫌がっていました(笑)」と、役作りの苦労話も語った。そんなイケてないマンフレルの等身大パネルと並んだマッツは、「1年半くらい、このファッションがすごく流行っています」とジョークを飛ばす。パネルのマンフレルはギターを持っているので、マッツにもギターを持ってもらうことに。さらっとそのギターを弾きこなすマッツは、やっぱりかっこいい! 劇中では彼の歌声も聞くことができる。「この映画で、ほとんどのキャラクターは何らかの楽器を演奏したり、歌ったりするんですけど、唯一何も演奏しないのがニコライのキャラクターなんですよね。実際のニコライは、どんな楽器でも弾きこなせるのに」というトリビアも教えてくれたマッツ。本当に仲が良い俳優仲間であることが伝わってくる。ぜひ一度、ニコライと一緒に来日して、2人でトークを披露してほしいと願わずにはいられない。

画像: 親日家ならではの日本愛あふれるトークで会場を魅了

親日家ならではの日本愛あふれるトークで会場を魅了

この舞台挨拶の後は、「ハリウッド・コレクターズ・コンベンションNo.26」にも参加するマッツは、日本に来たい理由はたくさんあると語る。「文化、歴史、人々、そして食。日本のみなさんは、自分たちの文化を誇らしく思っている姿がすごく素敵です。僕の出身地・デンマークも含め、ヨーロッパは日本のそういう部分を学んだらいいのにと、いつも思っています」とコメント。「作品のPRでの来日は久しぶりになります。(デンマークの作品を)ほかの文化圏の方に観ていただくと、我々が意図していないような感じ方をする人もいるかもしれません。それは全く悪いことではないと思います。本作にはユーモアとドラマの両方があって、どちらの方の比重が大きいか、日本のみなさんがどう感じるか、ぜひ教えていただきたいです」と語るマッツの温かさによって、日本とデンマークの距離がより縮まったように感じた。

『さよなら、僕の英雄』

画像: 『さよなら、僕の英雄』

『アダムズ・アップル』『ライダーズ・オブ・ジャスティス』など数々の話題作を生み出してきた北欧の名コンビ、マッツ・ミケルセンとアナス・トマス・イェンセン監督が6度目のタッグを組んだ最新作。不器用な兄弟が繰り広げる予測不能の珍道中を描き、デンマークにおける実写映画の興収記録を塗りかえて歴代1位に輝いた。

15年の服役を終えた弟は、かつて預けた大金を回収するため兄の元を訪ねる。しかし兄は大金の隠し場所を忘れた上、自分をジョン・レノンだと思い込んでいた。兄の記憶を呼び覚まして大金を手にするため、まさかの“ビートルズ再結成計画”が始動する。

『さよなら、僕の英雄』

2026年6月19日(金)公開
監督:アナス・トマス・イェンセン
出演:マッツ・ミケルセン、ニコライ・リー・コス、ソフィー・グローベール、ソーレン・マリン他
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
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