いま全米では新世代の観客に人気を呼ぶニュー・ホラーが次々ヒット中。一刻も早く見たい注目作が日本にもやってきます!(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:『ブリング・ハー・バック』より © 2025 RACKAWAY PTY LTD All Rights Reserved

フィリッポウ兄弟監督 単独インタビュー

「自分自身が過去に怖いと思った体験を
映画に活かすことが独特の恐怖に繋がるんです」

前作『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』でホラー・ファンを熱狂させ、いままた『ブリング・ハ—・バック』で新たなテイストの恐怖譚を世に送りだしたオーストラリア映画界の俊英、ダニエル&マイケル・フィリッポウ兄弟監督。この注目の最新作について2人が本誌のためにインタビューに応えてくれました!

里親に引き取られた兄妹が、そこで異常な恐怖体験に巻き込まれる新作『ブリング・ハー・バック』を完成させたダニーとマイケルのフィリッポウ兄弟監督。『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』で一躍人気ディレクターとなった素顔の2人は、いつも笑顔で、彼らの怖いホラーとは反対の陽気そうな青年たちだ。

──かなり衝撃的な描写も多い恐怖映画ですが、感情に訴える面も少なくない優れた作品でした。『TALK …』の成功の後、今度はどのように観客を魅了しようと考えましたか。最も大きなチャレンジは何でしたか。

マイケル「そうですね。やはり前作とは違う雰囲気を出したかったのは確かです。今回はより登場人物に意識を向けた作品にしたつもりです。それが本作の最大の魅力で、観客にとっても大きな見どころになるはずです」

──この物語の発想はどこから来たものでしょうか。「一見親切な人が実は恐ろしい素顔を隠している」とか「怪しい儀式が行われる」などのコンセプトは従来の映画にもあったと思いますが、この映画はそれらの要素を取り込みながら、他にない新鮮な印象を与えますね。

ダニー「オリジナリティを感じてもらえたとしたら、自分自身の過去に経験した怖いことを入れ込むせいでしょう。例えば、小さい頃の僕は棺桶の中に入っている故人の顔を覗き見るのが怖かったんですが、その経験をこの映画に入れています。覗かないのはとても自然な行為なのに、ローラはアンディにそれを強いて彼の感情を壊そうとします。そんなところがオリジナリティの恐怖に繋がっていると思います」

──本作の成功に大きく貢献しているのが、サリー・ホーキンスの名演技だと思います。彼女を起用した理由は?

ダニー「『何がジェーンに起ったか?』のベティ・デイヴィスもそうですが、サリーは役の中に自分を消すことができる人の一人です。ダークな面も明るい面も人間的な面も、すべて演じることができる名優ということが彼女を選んだ理由です。しかも現場に来て演じて帰るだけでなく、脚本にないこともいろいろ提案してくれるのでありがたかった。逆に怖かったのが『彼女を落胆させるようなことになったらどうしよう?』と考えていたことで、がっかりしてなければいいけど…と今も思っています(笑)」 

──若手俳優たちもかなり体を張った熱演をしていると思いますが、彼らの貢献について教えてください。

ダニー「彼らの貢献度は大きいですよ。特にソラ(ウォン)は自身の(視覚障害の)体験を役にもたらしてくれました。これは全員に言えるのですが、台詞は自分が言いそうな言葉に自由に変えていいと伝えました。それによってリアル感が増すからです。ソラとジョナ(レン・フィリップス)はスタントも自らやってくれました。やはりキャスティングが良かったおかげですね」

──あえて全てを語らず曖昧なまま完結させた部分もあったように思いますが、これらはどのように意識したのでしょうか。

ダニー「実はすべての設定で明確なバックグラウンドを考えてからストーリーを組み立てているんです。オリバーの過去も、ローラが見ているカルト儀式の映像も深い考察があります。映画に映っているのは僕らが考えている全体のほんの一部なんです」

マイケル「オリバーの過去の話でプリクエル(前日譚)を一本作ってみたいな(笑)」(ずっとダニーが答えていたが、ここから再びマイケルも加わりだす)

──ハリウッドから誘いがかかっていると思いますが、本作もオーストラリアで撮影されていますね。撮影を母国ですることにこだわっている理由はあるのでしょうか?

マイケル「今まで一緒に仕事をしてきたチームが素晴らしいので、彼らと仕事をするために母国に戻ったんです。母国の映像協会にいる各部門の優れた人材と組んできたので、そのチームをさらに拡大し、強化したいという目的がありました」

ダニー「アメリカで撮りたくないということではないですよ(笑)」

──再びA24と組んだ作品になっていますが、A24の良さはどんなところでしょう。

ダニー「まず僕たちに自由を与えてくれます。関わってほしいところは関わってくれるけど、自分たちでやりたいところは手を出さない。クリエイティブな環境作りをしてくれるんです」

マイケル「僕たちも本当に彼らを尊敬しているので、良い関係性が築けたんです」

──ところで次回作は『TALK…』の続編になると思いますが、どこまで製作は進んでいますか。

ダニー「実は来年もうひとつ別の作品を撮ることになったので、その先になるんです」

マイケル「A24に『TALK…』の続編をやりたかったら、次回作もちゃんとサポートしてねってうまく取り込まなくちゃ(笑)」

『ブリング・ハー・バック』
2026年7月10日(金)公開
オーストラリア/2025年年1時間44分/ハピネットファントム・スタジオ配給
監督/ダニー・フィリッポウ、マイケル・フィリッポウ
出演/ビリー・バラット、ソラ・ウォン、サリー・ホーキンス、ジョナ・レン・フィリップス

© 2025 RACKAWAY PTY LTD All Rights Reserved

This article is a sponsored article by
''.