カバー画像:『ロングウォーク』より ©2025 Lions Gate Films Inc.All Rights Reserved.
イントロダクション
「歩く」か「死」か ── 残酷な旅路で生まれる友情
最後の1人になるまで、夜も眠らず、ひたすら歩き続ける国民的競技“ロングウォーク”。それに参加した青年たちを何が待ち受けているのか。シンプルな設定の中、深い人間ドラマが描かれていく。人気作家スティーヴン・キングが別名義で書いた事実上の長編デビュー作「死のロングウォーク」を初めて映像化。キングが出した唯一の条件は原作通りの残酷さを描く「R指定」にすることだった。
監督はやはりデスゲームを描く「ハンガー・ゲーム」シリーズのフランシス・ローレンス。脚本は、サスペンス映画『ストレンジ・ダーリン』の監督・脚本で注目され、新作にはブリー・ラーソン主演のホラー映画『Skeltons(原題)』の監督・共同脚本が控えるJ T・モルナー。出演者には若手実力派が結集。中心人物2人は『リコリス・ピザ』主演のクーパー・ホフマンと『エイリアン:ロムルス』のアンドロイド役のデヴィッド・ジョンソン。『ムーンフォール』のチャーリー・プラマー、『ベスト・キッド:レジェンズ』のベン・ウォンらが共演。
あらすじ
近未来のアメリカ。年に1回開催される競技“ロングウォーク”の優勝者は、巨額の賞金と願いを1つ叶える権利を得る。ルールは「歩行速度は時速4.8Km以上を維持すること」「規則を破って警告を3回受けると射殺されること」そして「最後の1人になるまで歩き続けること」。参加するのは全国から選ばれた若者50人。レイは参加者ピーターと親しくなっていくが、競技が進むに連れて人数が減り、疲労は極限状態に達していく。
登場人物
レイ(クーパー・ホフマン)
母親が止めるのを振り切って“ロングウォーク”に参加する。
ピーター(デヴィッド・ジョンソン)
この競技の参加者。レイに声をかけ、やがて親友になっていく。
レイ(クーパー・ホフマン、左)と ピーター(デヴィッド・ジョンソン)
少佐(マーク・ハミル)
競技を取り仕切る人物。冷徹に規則に従い、参加者を監視する。
少佐(マーク・ハミル)
色濃く息づくキングのエッセンス
【 友情 】
キング作品の少年たちの拠り所は、友情だ。「スタンド・バイ・ミー」でも「IT」でも、それぞれ事情を抱えた家庭環境で育つ12歳の少年少女たちは、一緒に行動しながら友情を築き、それによって困難を乗り越えていく。本作の少年たちは、逃れられない“死のゲーム”を通して、お互いが勝利を目指すライバル同士だという関係にも関わらず、次第に仲間の状態を気遣い、不調になれば肩を貸し、互いに助け合うようになる。
【 理不尽 】
格差社会で、失業者が生活苦から視聴者全員に命を狙われるゲームに出場する「ランニング・マン」、ベトナム戦争後の政治不信の中、予知能力を持つ男が未来のために重い判断をする「デッド・ゾーン」など、キングは物語の理不尽な状況に現代社会の問題を投影する。本作の、このゲームに参加しなければ豊かな生活が手に入らず、参加しても優勝者以外は殺されるという理不尽な社会情勢は、現代社会のメタファーでもある。
【 死 】
死体を埋めると同じ姿をした別の何かが帰ってくる「ペット・セマタリー」、生存者同士が殺し合うようになる「ミスト」、人類がほぼ死滅した世界を描く「ザ・スタンド」など、キング作品では“死”がすぐ身近に描かれて、逆説的に“生”の輝きを際立たせる。本作で描かれるのは、参加者が3度警告されると、即時に射殺されるゲーム。参加者全員が、次の瞬間に死ぬかもしれない状況に直面し、生きることの素晴らしさを痛感する。
【 希望 】
冤罪で収監された銀行員が、囚人仲間との交流の中で絶望から脱していく映画『ショーシャンクの空に』の原作小説「刑務所のリタ・ヘイワース」、不思議な力を持つ死刑囚が仲間に希望を与える「グリーン・マイル」など、キングは過酷な状況の中でも希望を捨てない人間を描く。本作のピーターはレイに過酷な生い立ちを告白し「でもどんな暗闇の中でも光を見つけると決めた」と語り、レイはそれを聞いて、人間の本質に希望を見出す。
Column
クリエイター陣のキング愛
製作陣は、少年時代からスティーヴン・キングの小説を愛し続けてきたクリエイターばかり。ローレンス監督は20年以上前に原作小説を読み「この作品を何度も頭の中で反芻し、これをスクリーンで描くとはどういうことか、考え続けてきた」「この物語にはアメリカン・ドリームの崩壊が映し出されている」と語る。脚本家モルナーは「キングの小説を初めて読んだのは7歳の頃。それ以来、彼の小説は全部読んだ。僕の作品は、成長期にキングから受けた影響から生み出されている」と発言。音楽のジェレミー・フレイツも原作のファンで「原作に書かれた、剥き出しの傷ついた人間性と、少年たちが結んでいく壊れやすい絆を捉えたい」と作曲に挑んだ。
『ロングウォーク』
全国公開中
アメリカ/2025年/1時間48分/クロックワークス配給
監督/フランシス・ローレンス
出演/クーパー・ホフマン、デヴィッド・ジョンソン、チャーリー・プラマー、ベン・ウォン、マーク・ハミル
©2025 Lions Gate Films Inc.All Rights Reserved.









