世界的人気フランチャイズの顔から気鋭の実力派まで。ハリウッドの最前線を走る"奇跡の世代"、1996年生まれに注目! その顔ぶれと、現代ハリウッドを牽引する彼らの魅力を紐解きます。(文・荻原順子、スクリーン編集部(年表)/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:Photo by Christoph Soeder/picture alliance via Getty Images

1996年生まれ俳優たちの特徴とは?

ジャンルを越境する1996世代

ゼンデイヤ、トム・ホランド、フローレンス・ピュー、アニャ・テイラー=ジョイ、ポール・メスカル等々、1996年生まれの俳優には、20代でアカデミー賞やエミー賞といったメジャーな俳優賞を受賞したりノミネートされたりした錚々たる面々が揃う。若くして実力を発揮してスターになった俳優は過去にも枚挙にいとまが無いが、ミレニアル世代とZ世代の区切りの年、1996年に生まれた俳優たちには、その前の世代とは異なる特徴がある。

画像: トム・ホランド(2012年)

トム・ホランド(2012年)

まず、前の世代の俳優たちは、活躍の場が分かれていた。映画俳優たちはTVドラマに出演することは滅多に無く、逆に人気TVドラマで主役を務める俳優たちでも映画に出演する機会はほとんど無かった。さらに、同じ映画俳優であっても、スターと呼ばれるような大物俳優たちは大作や秀作に出演し、B級映画や低予算映画に出演するような俳優たちと主役を争うようなことも稀だった。

画像: ヘイリー・スタインフェルド(2010年)

ヘイリー・スタインフェルド(2010年)

それに対し、1996年生まれの俳優たちは、オスカーにノミネートされるような秀作(『オッペンハイマー』)に出たかと思えば翌々年にスーパーヒーローもの(『サンダーボルツ*』)に出演していたフローレンス・ピューや、英国の低予算映画(『異人たち』)に出演した翌年にハリウッド大作(『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』)に出演し、そのまた翌年には英国の文芸作品(『ハムネット』)に出演したポール・メスカルのように、出演作の幅が実に広い。ゼンデイヤに至っては、2021年の公開作が超低予算インディーズ映画(『マルコム&マリー』)からアニメーション映画の声の出演(『スペース・プレイヤーズ』)、SF大作(『DUNE/デューン 砂の惑星』)、そしてスーパーヒーローもの(『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』)と、多岐に渡るジャンルでの活躍を見せている。

話題作&配信作で一気にステップアップ

“1996年組”は、キャリアの進め方も前世代とは異なる。それまでの俳優は、まずはCM出演等で俳優としてのキャリアをスタートした後、TVドラマのゲスト出演を果たし、レギュラー出演にステップアップ。そこで認められ知名度も上がって初めて映画出演まで漕ぎ着けるといったパターンが多かった。一方1996年組は、子役やティーン役でTVドラマや低予算映画に出演して注目された後、いきなり話題作やフランチャイズ映画に抜擢。配信作品にも出演することによって国際的に有名なスターになった例が多い。例えばゼンデイヤは、CM出演を経て2009年、13歳の時にディズニー・チャンネルのオーディションに受かったのをきっかけに同チャンネルのティーン番組・TV映画に次々と出演。2017年に『スパイダーマン:ホームカミング』のMJ役に抜擢され、2019年にはHBOのドラマ「ユーフォリア/EUPHORIA」でエミー賞主演女優賞を受賞。(24歳での同賞受賞は史上最年少だった。)

画像: ゼンデイヤ(2010年)

ゼンデイヤ(2010年)

ゼンデイヤは2022年に放映された「ユーフォリア/EUPHORIA」シーズン2では製作総指揮も務めており、2024年の主演作『チャレンジャーズ』ではプロデューサーを兼任。他にも、積極的に音楽活動を行ったり、ファッション・ブランドとコラボ、モデルを務めてファッション・アイコンとしても認知されるようになるなど、多彩な活躍ぶりでも知られている。俳優という役割を超えた多面的な活躍も1996年組の特徴で、前述のピューやメスカルに加え、トム・ホランドやアニャ・テイラー=ジョイも、20代で既に出演作の製作に携わった経験を持つ。

自身のSNSもパブリシティの一部に

画像: アニャ・テイラー=ジョイ(2015年)

アニャ・テイラー=ジョイ(2015年)

スターのステイタスを獲得するにあたっては、パブリシティ(広報活動)も重要な鍵となるが、1996年組は、映画雑誌や新聞・TVのインタビュー記事を主たる広報媒体にしていた前世代の俳優たちとは違って、SNSでの発信を中心にパブリシティを展開している。例えば彼らのインスタグラムでは、出演作のプロモーション(プレミアの様子や製作現場のチラ見せ等)はもちろん、ファッションやアート、音楽などファンと興味を共有できそうな話題や、自分が関わっているチャリティのニュースや料理ネタ、お笑いネタなど、スターたちの日常が垣間見られるようなコンテンツも披露。SNSは、スーパーヒーローものや話題の大作といった全世界で同時公開される作品への出演に加えて、彼らの国際的知名度を上げるのに大いに役立っているのは間違いない。

パブリシティの重心がインタビューからSNSに移行した事は、パブリシティの中心を担っていたロケーションとしてのハリウッドの形骸化も招いた。実際、今回紹介した1996年組の中にはアメリカ生まれ&育ちではないスターたちも多く含まれている。今後、アメコミのスーパーヒーローを演じながらも米国人ではない“ハリウッド・スター”がますます増えていくのかもしれない…?

1996世代の「あの頃」を彩ったものは?

1995(誕生前)─Windows95発売
1996(0歳頃)─世界初のDVDプレーヤーが日本で発売
1998(2歳頃)─「Pokémon Red/Blue」北米発売
2001(5歳頃)─『ハリー・ポッターと賢者の石』公開
2005(9歳頃)─YouTubeサービス開始
2006(10歳頃)─Twitter(現X)サービス開始
2007(11歳頃)─iPhone発売/Netflixがストリーミング配信開始
2008(12歳頃)─『アイアンマン』公開(MCU始動)/Spotifyサービス開始
2010(14歳頃)─Instagramサービス開始
2012(16歳頃)─『アベンジャーズ』公開
2014(18歳頃)─『アナと雪の女王』世界的大ヒット
2015(19歳頃)─『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』公開
2016(20歳頃)─「Pokémon GO」配信開始/AirPods発売
2018(22歳頃)─TikTokが世界展開を本格化
2022(26歳頃)─ChatGPT公開

This article is a sponsored article by
''.