トム・クルーズ×アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ 26年の歳月を経て結実した、奇跡のコラボレーションの裏側

2016年、第69回英国アカデミー賞で『レヴェナント: 蘇えりし者』の作品賞・監督賞を受賞したイニャリトゥ監督が、プレゼンターのトム・クルーズと喜びを分かち合った。
Photo by David M. Benett/Dave Benett/Getty Images
トム・クルーズが、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の才能に衝撃を受けたのは、『アモーレス・ペロス』を観た時。作品のスタイルにあまりに感動して、自宅に友人を招いて、同作の上映会を開いたという。これが26年前のことで、その数年後にトムとイニャリトゥは実際に面会。
以来、2人は何か一緒にプロジェクトを動かせないか模索していた。イニャリトゥが『DIGGER/ディガー』のアイデアを思いついたのが、今から約10年前で、これこそトムとの作品にふさわしい、いやトムではないと不可能と、彼に打診したのが7年前だという。
そこからイニャリトゥは、物語を表現するうえで正しいアプローチを時間をかけて考え抜き、ようやく脚本が完成した際にトムの元へ向かい、何日もかけてその脚本を読み聞かせたという。
そんな監督の熱意を受け、トムも作品世界を完璧に理解し、どう貢献できるかコラボレーションを考えた…という流れ。監督による脚本の朗読は、これまでもトムが求めていたことで、イニャリトゥも主演俳優の意図にリスペクトを捧げたのだ。

2025年、トム・クルーズ、ガバナーズアワードで悲願の初オスカー(名誉賞)を受賞!イニャリトゥ監督から手渡され、熱いハグを交わした。
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そして撮影がスタートすると、トムもディガー役を受けたことが正解だったと実感。イニャリトゥに「この役を演じるために40年かかった」と告白する。撮影自体は2025年の前半に、イギリスのパインウッド・スタジオで終え、イニャリトゥもトムの現場での情熱を絶賛していた。
そして、『ディガー』が完成する前に、トム・クルーズはアカデミー賞名誉賞を受賞。2025年11月に行われた授賞式の際に、紹介役を買って出たのがイニャリトゥで、12分にもわたってトムへの思いをスピーチ。
「トム・クルーズは映画を作っているわけではありません。彼こそが映画そのものです」という賛辞を送った。さらに撮影現場で彼の演技を間近で目撃し、鳥肌が立った思い出を、こんな風に語っている。「トムの動きひとつひとつは綿密に振り付けが決まっているのに、まるで完全な即興のように見える。時計の針のごとく細かく計算されていても、ジャズが流れるように表現できる」。
念願だったイニャリトゥとの作品で、トムもこれまでの経験を最大限に駆使したことがよくわかる。26年、待っただけの価値のあるコラボによって、来年のアカデミー賞授賞式で彼らが一緒にステージに立っている光景も、夢ではないかもしれない。
『DIGGER/ディガー』
2026年10月9日(金)公開
アメリカ=イギリス=メキシコ/2026/配給: 東和ピクチャーズ・東宝
監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
出演:トム・クルーズ、リズ・アーメッド、ジョン・グッドマン、ザンドラ・ヒュラー、ジェシー・プレモンス
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