ラモーンズ、パティ・スミス、トーキング・ヘッズ ──。ボロボロの小さなライブハウス「CBGB」の片隅から、世界を揺るがす音楽革命は始まった。不器用ながらも若者たちを愛し続けた創設者ヒリー・クリスタルの信念と、時代を駆け抜けた異彩たちの熱気。名優アラン・リックマンが体現した知られざる奇跡の実話に迫ります!(文、デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:『CBGB ニューヨーク、PUNKが生まれた場所』より © 2013 Film CBGB, LLC. All Rights Reserved.

アラン・リックマンが語る「CBGB」

ヒリー・クリスタルという「静かな信念」を演じる

伝説のクラブCBGBの創業者ヒリー・クリスタルを演じたアラン・リックマン。パンクとは無縁だった彼がいかにして役に惹かれ、その“静かな信念”を形作っていったのか。実在の人物に向き合う独自の役作りとアプローチに迫ります。

『CBCB』プレミアでのアラン・リックマン
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Voice 1. )パンクと無縁だった自分がヒリーに惹かれた理由

ヒリー・クリスタルという人物に向き合うにあたり、リックマンは「自分はパンク文化とほとんど接点を持たずに生きてきた」と語る。当時のロンドンで学生生活を送っていた彼にとって、当時のパンクシーンは自分の領域外だったそう。そんな彼がヒリーに惹かれたのは、彼が“意図せず文化を動かしてしまった人物”だったからだ。派手な主張もせず、不器用で誠実に個性を尊重し続けた結果、パンクの温床を作り上げてしまった—その“無自覚な革命性”こそが最大の魅力だったと振り返っている。

Voice 2. )「その人物を裁かない」アプローチと現場のリアリティ

リックマンが実在の人物を演じる際に最も大切にしているのは、「その人物を裁かないこと」だ。ヒリーの欠点や破天荒さに対しても、善悪の判断を加えることなく受け止め、その内側にある信念を深く掘り下げる姿勢で役に臨んだ。声を荒げず、派手な振る舞いもないヒリーの“静かな強さ”をどう表現するかが最大の問題意識だったという。撮影現場には、実際のCBGBで使われていた電話帳やレジスターがセットに組み込まれていた。そうした物理的な手触りや空間のリアリティがヒリー役への深い没入を支えた。

Voice 3. )映像資料の研究と、娘から託された言葉

役作りにおいてリックマンは、ヒリー本人の映像資料を何時間もかけて徹底的に研究した。歩き方、話し方、家族と接するときの柔らかな表情、記者に向ける慎重な視線。それらを観察し、彼の中に眠る静かな気配を掬い取ろうとした。また、ヒリーの娘リサ・クリスタルとの面会も決定的な手掛かりとなった。彼女が語った「父を演じるうえで忘れないでほしいのは、私が父を愛していたということ」という言葉は、人物解釈の軸としてリックマンの中に深く刻まれ、役を形作る揺るぎない軸となった。

『CBGB ニューヨーク、PUNKが生まれた場所』
2026年10月23日(金)公開
2013/アメリカ/1時間42分/スターキャットアルバトロス・フィルム配給
監督:ランドール・ミラー
出演:アラン・リックマン、アシュリー・グリーン、ドナル・ローグ、マリン・アッカーマン、ジャスティン・バーサ、ルパート・グリント、テイラー・ホーキンス

© 2013 Film CBGB, LLC. All Rights Reserved.

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