居心地のいい場作りと俳優との関係性の構築に心を配る―『12日の殺人』ドミニク・モル監督インタビュー
若い女性がガソリンを掛けられた後、火を放たれて焼死体として発見された。警察は被害者の男性関係を中心に捜査を進めるが、容疑者を特定することができないまま、捜査班は解散となってしまう。『12日の殺人』は事件の発生から追い、未解決案件となっていく過程を映し出すとともに、事件にのめり込むうちに、いつしか私生活にも影響を受けていく捜査員たちの日常も丁寧に掬い取っていく。フランスのアカデミー賞に相当するセザール賞(2023)で、最優秀作品賞、最優秀監督賞をはじめ、最多の6冠に輝いた。脚本も担当したドミニク・モル監督に作品への思いや演出について聞いた。(取材・文/ほりきみき)