いつでも彼はマネーメーキング・スター!
ここで取り上げたのは全米での興行成績だが、1980年代から現在2010年代まで、トムは常にヒット作を生み出していることがわかる。いずれもほぼ単独主演作で、アメコミ系でもフランチャイズ系でもなく、2億ドルの大台を超える作品が三作あり、トップ10はすべて1億ドルを越えているというだけでも、そのすごさがわかろうかというもの。
実はそのパワーは日本に目を向けるとますます顕著。ちなみに日本でのトム主演作のナンバーワン・ヒットは「ラストサムライ」(2003)で興行収入約137億円(ちなみに全米を基準にすると13番目のヒット)。このあたりは日本ならではの現象かもしれないが、この作品を始め、年間ナンバーワン・ヒット映画をトムは何度も記録しており、1987年の「トップガン」、1996年の「ミッション・インポッシブル」、2000年の「M:I-2」、11年の「ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル」と人気の衰えを知らない。
興行的に失敗作とされた「M:i:Ⅲ」(2006)が公開された頃、私生活での婚約や結婚報道がマイナス要因となり、パラマウント映画社から14年の契約を打ち切られるという危機的な時期もあったのだが、そんなピンチも鮮やかに切り抜けて、人気復活となった自己プロデュース力は、ほかのセレブではほぼ不可能な離れ業といえそう。彼が不可能任務を遂行するのはアクションだけではないのだ。
30年以上に渡って第一線でトップスターの座に居続けるトムはまさに奇跡の男といえるかもしれない。
それでは、全米ヒットTOP10発表!
10位「ア・フュー・グッドメン」(1992)
1億4100万ドル
ジャック・ニコルソン、デミ・ムーアらとの共演が話題になった法廷ドラマ。ロブ・ライナー監督作としてナンバーワン・ヒット作
9位「ザ・エージェント」(1996)
1億5395万ドル
1996年の年間ヒット第4位で、「ミッション」1作目と共に、3位と4位をトム主演作がゲットした。トムのロマンス系映画としても最大のヒット。
8位「ザ・ファーム/法律事務所」(1993)
1億5834万ドル
「ジュラシック・パーク」が大ヒットしていた夏シーズンの同時期にヒットしたサスペンス。ジョン・グリシャム原作ものでは一番のヒット。
7位「レインマン」(1988)
1億7282万ドル
アカデミー賞作品賞受賞で巷の話題を呼び、トムの非アクション系映画ではこれがナンバーワン・ヒット。1988年公開作でも興行収入1位。
6位「トップガン」(1986)
1億7980万ドル
トムを一躍トップスターに押し上げた作品。時代によるインフレ率を調整すると実質のトム主演作ヒット第1位は本作になる。
5位「ミッション・インポッシブル」(1996)
1億8098万ドル
記念すべきシリーズ第1作は「インデペンデンス・デイ」「ツイスター」に次ぐ年間第3位のヒットで、トムの初製作作品としても大成功。
4位「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」(2015)
1億9504万ドル
「ミッション」シリーズ第5弾。オープニング(公開最初の3日間)成績は約5500万ドルで1位スタート。
3位「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」(2011)
2億939万ドル
前作の不振を挽回したシリーズ第4弾。ワールドワイドで見ると、トム主演作の中では本作がナンバー1ヒット作(約6億9500万ドル)
2位「M:I - 2」(2000)
2億1540万ドル
「ミッション:インポッシブル」シリーズ最大のヒット作は、現時点ではこの第2弾。ワールドワイドではこの年公開作の第1位だった。
1位「宇宙戦争」(2005)
2億3428万ドル
トム最大のヒット作はスティーヴン・スピルバーグ監督と組んだSF大作。この年にかぎれば、「SWエピソード3」「ナルニア国物語/第1章」「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」などシリーズ大作に次ぐ第4位。