ハッとしてじんわり響く!プーさんのトリコになっちゃうセリフ
難しい言葉を使っていないのにハッと気づかされる——純粋な心を持つプーさんならではのセリフは、いずれも深く心にしみわたります。
ーー僕は毎日、君のこと、かんがえてた
ひょんなことから何十年ぶりに目の前に現れたプーを見て驚いたクリストファーは思わず正直に「君のことを忘れていた」と言ってしまうけど、プーと森の仲間たちはクリストファーのことを忘れてはいなかった。
ーーどこかへ行きたい時、じっと待ってると「どこか」の方が来てくれる
あそこへ行きたい、あれがほしい…。望みを叶えるための努力は悪いことではないけれど、どんと構えて待っていたほうがいいこともある。プーはクリストファー・ロビンに会うためにどうしたらいいか、ちゃんとわかっていた。
ーー“何もしないなんて無理”って言うけど、僕は毎日なにもしないをやってるよ
毎日忙しく、何かをせずにいられない大人の人間は、“なにもしない”ことが信じられない。でもプーは“なにもしない”でいることができる。“なにもしない”ことを毎日できるなんて、ちょっと羨ましかったりもする。
ーーでも、僕が君を見つけたよ
家族とうまくいかず、仕事も行き詰まったクリストファーが、自分が「どこにいるのかわからない」と言うと、プーが答える。ぬいぐるみとはいえ、なんて心強い言葉!自分を見つけてくれる誰かがいることが、愛。
ーーフーセンがほしい。必要ないけどほしい
風船をほしがるプーに、クリストファー・ロビンは「風船なんて必要ない」とにべもない。でもプーは「必要ない」風船がほしいのだ。“フーセン”でおなかはいっぱいにならないけれど、心を優しく充たしてくれることがプーにはわかっている。
ーー僕、アタマがちっちゃくて...
クリストファーの言うことがよくわからなくて、がっかりするプー。だけどクリストファーは、プーが“ちっちゃなアタマ(Little Brain)”と“大きな心(Big Heart)”を持っていることを知っている。
ーー今日。僕の一番すきな日だ
プーというクマがそばにいてよかった、と思えるとしたら、こんなひとことが聞けたときだろう。昨日はあった、明日もたぶんやってくる。でも今日という日が「一番好き」と言える以上の幸せがあるだろうか。
ーーフーセンをもってると幸せなんだ。カバンをもってると、幸せ?
カバンはクリストファーが肌身離さず持っている、仕事の資料が詰まったもの。このカバンを森に忘れたことで、ひと騒動起こるのだが、果たしてカバンの中身は“フーセン”と同じくらい、人を、プーを幸せにするだろうか。
もっと知りたい!原作本&アニメ版プーさん
自分の息子と、彼が可愛がっていたクマのぬいぐるみを主人公に、作家A・A・ミルンが書いた『クマのプーさん』。出版は1926年なので、もう九〇年以上も前のことになる。E・H・シェパードの愛らしい挿絵ともあいまって、作品は大成功をおさめ、二年後には二作目『プー横町にたった家』も。世界中で翻訳され、日本では石井桃子の訳で、なんと、すでに1940年に出版されている。
1966年にはディズニーがプーを主人公に短編アニメ『プーさんとはちみつ』を製作、年には長編「くまのプーさん」も公開され、黄色い身体に赤いベストというプーの姿が世界中に知れ渡ることになった。ちなみに、シェパードの絵で最初に登場したプーは、クマらしく、服らしきものは身に着けていない。
プーが口にする言葉、森の仲間やクリストファー・ロビンとのやりとりは子どもらしくわかりやすいものだが、時と場面によっては哲学的な香りが漂うことも。そうしたプーの言葉をまとめた本も多く出ている。
©Disney. Based on the "Winnie the Pooh" works by A.A. Milne and E.H. Shepard.