クローハースト事件の映画化
本誌の英国男優総選挙で三年連続1位に輝いた英国のトップスター、コリン・ファースの待望の新作。単独で一度も港に寄らず世界一周に挑むという究極のヨットレース。歴戦のセーラーたちが名を連ねる中、レース初体験というアマチュア英国人が大躍進を見せ注目を集める。世界中が彼の記録に目をみはるが、そこには驚くべき真相が隠されていた。
実際にあったクローハースト事件の映画化で、「キングスマン」シリーズのコリン・ファースが主人公を演じ、その妻役には「否定と肯定」のレイチェル・ワイズと、アカデミー賞俳優二人が初共演。他にデヴィッド・シューリス、ケン・ストットらが出演。
監督はオスカー候補となった「博士と彼女のセオリー」のジェームズ・マーシュ、撮影は「モーターサイクル・ダイアリーズ」のエリック・ゴーティエ、音楽は惜しくも18年2月に亡くなったヨハン・ヨハンソン(「メッセージ」)と、実力派スタッフが顔をそろえた。
空前の海洋冒険とは?
空前の海洋冒険ブームが巻き起こっていたイギリスで、1968年、賞金5000ポンドを賭けた単独無寄港による世界一周ヨットレースの開催が発表される。歴戦の有名セーラーたちがこぞって参加する中、一人のアマチュアが出場を表明し世間の注目を集める。
ドナルド・クローハースト(ファース)、船舶用の測定器を開発し会社を興したビジネスマンだ。ヨットには乗るがレースは未経験。彼が出場したのは自社の宣伝になると踏んだからだ。町の有力者(ストット)から融資を取りつけ、新聞記者ロドニー(シューリス)に広報を依頼し、と話はどんどん進むが肝心のヨットが出来上がらない。結局未完成のまま、心配する妻クレア(レイチェル)や子供たちを残し、クローハーストは大海原へと漕ぎ出す。
そんな彼に海は容赦なく試練を与える。耐え難い孤独と焦りから、ついにクローハーストはセーラーとして越えてはいけない一線を越えてしまう。その時から彼の真の苦難が始まるのだった。
登場人物はこの4人を抑えておこう!
家族を残し大海原へと出立した男
ドナルド・クローハースト(コリン・ファース)
自ら開発した船舶用測定器を販売しようと会社を興すが経営難に。会社のため、家族のため過酷なヨットレースに出場するものの、想像以上の大自然の脅威の前に自我を失っていく。
夫を支え懸命に家庭を守る良妻
クレア・クローハースト(レイチェル・ワイズ)
不安な心を押し隠し、4人の子供を抱えながら夫の挑戦を陰から支える妻。マスコミの中傷にも毅然と立ち向かう。
クローハーストを宣伝する広報係
ロドニー・ホールワース(デヴィッド・シューリス)
クローハーストの広報係として、彼が海上から送ってくる“新記録”を大々的に報道。世間にブームを巻き起こす。
クローハーストを支援する町の名士
スタンリー・ベスト(ケン・ストット)
クローハーストが住む町の名士で、彼の冒険を支援しヨットの製造費などを融資。だが予想以上に出費がかさみ…
▶︎▶︎コリン・ファースが魅せる三つの表情と製作裏エピソードとは?▶︎▶︎