英国男優のトップスター、コリン・ファース最新作!究極のヨットレースに挑戦した男の海洋冒険ドラマ「喜望峰の風に乗せて」が2019年1月11日より公開。注目ポイントや登場人物紹介、さらにコリン・ファースへのインタビューまで余すことなくご紹介!

コリン・ファースインタービュー

「実在の人物を演じる時は、そのキャラクターの中に住むことが大事なのです」

ーー主人公の挑戦をどう感じましたか?

『人は時としてとてつもなく危険なことに取り組みます。自分の能力以上のことを成し遂げたいと思うものなのです。クローハーストもそうでした。しかし彼の挑戦は前代未聞で、宇宙飛行士と同じくらいすごいことでした。未開拓の地を航海したのですからね。当時はGPSのように位置確認できる装置などありませんでした。あるのは六分儀、バロメーター、コンパス、風向計くらい。あとは自分の技術だけ。大海原で迷子になっても誰も助けに来てはくれないのです』

ーー命がけの冒険に出たクローハーストにとって、家族はどんな存在だったのでしょう?

『クローハーストがレースに挑んだ動機は、家族のためだったと思います。彼は挑戦をやり遂げられると信じていたし、家族にふさわしい父親として家に戻り、家族を救えると信じていた。その気持ちはよくわかります』

ーーレースに行き詰ったクローハーストが取った行動をどう考えますか?

『このレースで優勝したロビン・ノックス・ジョンストンはこう言っています。「あれほどの孤独、あれほどの自然の脅威を体験していない者が、彼を裁く権利はない」と。映画を作りながら、私もまったくその通りだと思いました。私たちは彼を裁く立場にもないし、裁いたりしてはいけないと感じたのです』

ーーでは、クローハーストを演じるに当たって心がけたことは?

『実在の人物を演じる時はいつもそうですが、そのキャラクターの中に住むこと。と同時に、自分の判断を差し控えること。その人物をどう判断するかを決めるのは、俳優の仕事ではありませんから』

ーー具体的にはどんな取り組みをしましたか。

『入手できるすべてのものに目を通しただけです。ドキュメンタリー、伝記、BBCの保存映像など。けれど最も頼りにしたのはクローハースト自身の航海日記と録音テープでした。たとえば彼はヨットに降りてきた渡り鳥と親交を深めたと日記に書いています。その鳥に明らかに共感を抱いていますが、それは鳥が海鳥ではなかったからです。一番近い陸地まで何千マイルもあったのに、彼の船に降りてきた鳥。彼はその鳥が陸地に向かって飛び立ってほしいと願いました。彼にはそういう優しさがあります。思いやりと良識があります。それを日記から知ることができたのです』

ーーセーリングについてはどのようなことを学びましたか?

『小さなヨットでセーリングの基礎を学びましたが、これはとても楽しい経験でした。肌で風を感じることができたのが最高でしたね。実際に風と船の関係を知ったおかげで、いろんなことに合点がいったのです。カンボジアでは一人でヨットに乗って島々を回ったりして、すっかりセーリングの虜になりました』

原題『慈悲』2017年度作品。1時間41分。イギリス映画。
キノフィルムズ配給

©STUDIOCANAL S.A.S 2017

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