今やハリウッドで最もアツイ女優!
今年もいよいよアカデミー賞のシーズンがやってくる(授賞式の開催日は日本時間2019年2月25日)。さまざまなメディアの予想通り、今回も演技部門の候補者としてエマ・ストーンの名前が挙がってる。
一昨年のアカデミー賞では『ラ・ラ・ランド』旋風が起こり、史上最多タイの14ノミネート・6部門受賞の快挙を成し遂げ、エマも28歳の若さで主演女優賞受賞の栄冠に輝いた。今や彼女はハリウッドで最も多くのオファーが舞い込む若手女優の一人になっている。
そんな多くのオファーから彼女が選んだ新作が、18世紀イングランドの女王と彼女に仕える二人の女性の愛憎を描く宮廷ドラマ『女王陛下のお気に入り』。作品自体の評価はもとより、火花散る演技合戦を見せる3人の女優たちに絶賛の声が寄せられている。女王の寵愛を手に入れるためなら手段を選ばない野心的なアビゲイルという役柄は、これまでのエマのイメージを覆すような新境地。
台本を読んでとても興奮したし、大きな声を出して笑ってしまったの
ーー最初に『女王陛下のお気に入り』の台本を読んだ時の反応はどうでしたか?
エマ・ストーン『台本を読んでとても興奮したわ。複雑な3人の女性の個性がとてもよく描かれている驚くべき例だと思った。そして彼女たちがお互いに関係していく様子は……私は上手に表現できないけれど、とにかく私は大きな声を出して笑ったし、大変すばらしい台本だと思ったわ』
ーーおっしゃったように、この作品では3人の女性の複雑な物語が語られています。彼女たちのパワーゲームをどうやって解釈しましたか?
エマ・ストーン『私はそれぞれの人物全員が、それぞれの方法で生き残るための戦いだと思った。 権力が人々に与える影響、愛や友情が人々に与える影響、自己愛のために乗り越えなくてはいけないことが起きたときにどうするかなど、特異な過程が非常に面白く描かれていると思ったわ』
ーー本作の主役であるアン女王はあまり一般的には知られていませんが、この作品を通じてどのように彼女を理解しましたか?
エマ・ストーン『彼女の身には多くのことが起こったわ。17人の子供を亡くし、信じられないほどの健康上の問題を抱え、夫も失った。彼女の苦悩を知れば知るほど心が痛んだわ』
ーーあなたが演じたアビゲイルについては、どのようにリサーチをしましたか?
エマ・ストーン『史実にすべてが基づいている必要はなかったけれど、なるべく多くのアビゲイルについての本を読んだわ。ただ実際、アビゲイルについて学ぶことがあまりなかった。だから私たちが演じた話の数年後の、アン女王が死亡した後のプライベートを研究したの』
ーー役作りはどのように行なったのでしょうか?
エマ・ストーン『“カーテシー”と呼ばれる高貴な人に対する女性のおじぎを習得し、18世紀の銃を撃ち、馬に乗らなければならなかった。宮廷の作法も興味深かったわ。女王に背を向けてはいけないので、アビゲイルは部屋から出るときに後ずさりしなければならないの」
ーーヨルゴス・ランティモス監督は今最も才能ある監督の一人だと思いますが、彼との仕事はどうでしたか?
エマ・ストーン『とてもエキサイティングだった。彼の作品に出演できることが信じられなかったし、本当に彼には信じられないほど才能がある。唯一無二よ。多くのアーティストや映画監督は、昔からの手法を壊す方法や個性的なものを作りたいと思っているはずだけれど、ヨルゴス監督の作品からはそれを感じることができる。それこそ彼のビジョンが巧みな手法で表現されていることの証だと思うわ』
ーーロケ地のハットフィールドハウス(貴族の館)についてお話できますか?
エマ・ストーン『とても美しい建物だったわ。やはりセットよりも実際の場所で撮影するほうが良いものよ。見上げれば黄金の天井画があって、部屋の一つには、私たちは触ることはできなかったけれど、アン女王の椅子があった。エリザベス女王も幼い少女だった頃に訪れたことがあると聞いたわ。多くの歴史や衣装や実体験の中に身を置くことはとても特別なことで、カメラが回ったり、他のものに囲まれなくても、1705年にいることを想像する空間を持つことができた。本当に素晴らしかったわ』