作品賞は「ROMA/ローマ」か「グリーンブック」か
今回のアカデミー賞は、稀に見る激戦といわれたが、結局作品賞は60年代の米南部を舞台に黒人ピアニストと白人運転手の交流を描くロードムービー「グリーンブック」が受賞。ほかに助演男優賞(マハーシャラ・アリ)と脚本賞も受賞。
ライバルと言われた70年代メキシコをモノクロ映像で描くドラマ「ROMA/ローマ」は監督賞(アルフォンソ・キュアロン)、外国語映画賞、撮影賞(キュアロン)の3部門を受賞した。
また大ヒット中の「ボヘミアン・ラプソディ」はラミ・マレックの主演男優賞の他、編集、録音、音響編集賞を受賞。4部門で最多受賞となった。
主演女優賞は7度目の候補というグレン・クローズが本命視されたが、これもライバルのオリヴィア・コールマン(「女王陛下のお気に入り」)が受賞。助演女優賞は大方の予想通り「ビール・ストリートの恋人たち」のレジーナ・キングが受賞した。
感動的だったレディー・ガガとブラッドリー・クーパー
また今回は司会をおかない進行で行なわれるという30年ぶりの授与式とあって、いつものようなショーアップされたコーナーは少なかったが、式の合間合間に歌曲賞の熱唱が行なわれ、「RBG 最強の85才」のテーマ曲“アイル・ファイト”をジェニファー・ハドソンが、「メリー・ポピンズ リターンズ」の“幸せのありか”をベット・ミドラーが歌い上げ、満場の喝采を浴びた。しかし一番の名シーンとなったのは「アリー/スター誕生」の“シャロウ”をレディー・ガガとブラッドリー・クーパーがしっとりデュエットした時。結局この曲が歌唱賞受賞で、レディー・ガガは『夢に向かって努力したからいまがある。皆さんもくじけないで』と涙の受賞スピーチを行ない、これも感動を呼んだ。
日本映画は惜しくも受賞ならず
また注目されていた外国語映画賞では日本の「万引き家族」は最強のライバル「ROMA/ローマ」に敗れ惜しくも受賞ならず。長編アニメーション部門の「未来のミライ」も本命「スパイダーマン:スパイダーバース」を打ち破ることはできなかった。
ほかにマーベル・ヒーローの大ヒット作「ブラックパンサー」が美術、衣装デザイン、作曲賞の3部門を受賞するという快挙。これまで名誉賞のみ受賞していたスパイク・リー監督が「ブラック・クランズマン」でついに脚色賞をゲットするなど、ブラックパワーが発揮された点も注目したい。
授与式生放送を見損ねた方は、2月25日(月)夜9時から字幕版での再放送がWOWOWプライムで行なわれるのでお見逃しなく!