バード・ボックス
それを見てはいけない!世界中で話題騒然の究極サスペンス
サンドラ・ブロック主演のNetflixオリジナル映画「バード・ボックス」がネットで大人気だ。それもそのはず、劇場公開されてもおかしくない高いクオリティーだからだ。見た者を高い暴力的衝動(自殺を含む)に追い込む、人智を超えた“謎の存在”が出現し、社会が崩壊してから5年後。2人の子供を連れたヒロイン、マロリー(サンドラ)は子供たちに“謎の存在”を見ないようにさせながら、安全地帯への川下りに挑む。それと同時に、マロリーの過去と現在が交互に描かれ、驚愕の事実が少しずつ明かされていく。
視覚を奪われた登場人物陣の悪戦苦闘に息を飲むジェットコースター・サスペンスで、「ドント・ブリーズ」「クワイエット・プレイス」などに通じる恐怖感を醸すが、そこで強い“母性”を発揮するサンドラの女優としての進化も見どころとなっている。「RED/レッド」のジョン・マルコヴィッチ、「ムーンライト」のトレヴァンテ・ローズはじめ共演陣も充実した、緊迫感あふれるSFスリラーだ。
サンドラ・ブロックが主演!
本作の主人公マロリー役を演じるサンドラ・ブロックは1964年7月26日生まれで、1994年の大ヒット映画「スピード」でブレーク。第82回アカデミー賞で主演女優賞に輝いた「しあわせの隠れ場所」を見ても分かる通り、今や“母性”をしっかりと表現できる名女優に成長した。自身も危険な状況なのに、子供たちに“謎の存在”を見せないよう懸命に導く、今回のマロリー役もぴたりとはまった。
ここに注目01:
現在と過去を往復する展開
物語の時制が現在と過去を往復するサスペンスは、TV「LOST」以降すっかり定着したが、本作は主人公マロリーのいた世界が“謎の存在”の出現で崩壊する5年前と、彼女が危険な行動に出る現在を交互に描写。デンマーク出身の女性監督スサンネ・ビアはヒロインの心理状態とスリリングな展開の両方をみごとに描ききった。
ここに注目02:
“ それ” が見えたら終わり!
本作の企画が立ち上がったのは「IT/イット“それ”が見えたら、終わり。」の全米公開よりずっと早く、ジョッシュ・メーラーマンによる原作小説が発表される前年の2013年。人間の視覚や聴覚を題材にしたユニークなサスペンスが増えたが、本作も登場人物たちが“謎の存在”を見てはいけないというルールが恐ろしい。