平成前期/1990’s
現在まで活躍するアクターたちがフレッシュに登場
90年代に入って頭角を現わしたブラピ、レオ、ジョニー、キアヌたち
平成のはじまり(1989~90年)頃に人気を誇っていたのは、80年代半ばから脚光を浴びていたイケメンたち。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でフツーの高校生を人懐っこく演じて人気を獲得したマイケル・J・フォックス。163センチという、アメリカ人男性にしては小さな身長も“ショーティー! かわいい!”と女性ファンに大ウケ。また、トム・クルーズも身長170センチの身長を鍛え上げ、非の打ちどころのない美貌を炸裂させて『トップガン』で女性ばかりか男性からも羨望のまなざしを獲得。平成になってからも『カクテル』『レインマン』とヒットを飛ばし、まさにトップスターの座に君臨。
そして“Nextビッグ・スター”として期待を一身に担っていたのがリヴァー・フェニックス。『スタンド・バイ・ミー』で披露したせつないほどピュアな佇まいと澄み切ったまなざしは、世界中の女性をトリコにしていた。
「スタンド・バイ・ミー」の後も「マイ・プライベート・アイダホ」などで独自の路線を切り拓いていた矢先に急死して世間を驚かせた。
この時期、ちょっとマークしておきたいのが、『眺めのいい部屋』などのダニエル・デイ・ルイスと『モーリス』などのヒュー・グラント。ハリウッド・スターとはひと味違うクラシカルな美しさを誇り、いわば第一次〈英国美形ブーム〉を日本に巻き起こしていたのだから。
さて、90年代前期~中期。93年にリヴァー・フェニックスが不慮の事故で亡くなってファンは意気消沈。しかし、そんな悲しみを吹き飛ばすかのようにニュー・スターたちが輝きを放ちはじめる。『リバー・ランズ・スルー・イット』(92年)では「美術品のような美しさ」と絶賛されたブラッド・ピット。そして、『ギルバート・レオナルド・ディカプリオグレイプ』(93年)で19歳にしてアカデミー賞助演男優賞候補になったレオナルド・ディカプリオは、『タイタニック』(97年)の大ヒットにより世界的なスターの座に。レオナルド・ディカプリオレオナルド・ディカプリオ
「リバー・ランズ・スルー・イット]から「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」「セブン」と大活躍し、その美形ぶりが世界の女性の話題に。
「タイタニック」以前から「ロミオ&ジュリエット」などで大ブレークしていたレオ。本誌でも「タイタニック」前に人気No.1に。
また『ギルバート・グレイプ』で主人公を演じたジョニー・デップも、80年代から“ハリウッドの反逆児”と称された人気者。その光りと闇を宿した魅力は後に『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ(03~17 年)で唯一無二のスターと称されることに。そしてもうひとり、忘れてならないのがキアヌ・リーブス。『ハートブルー』(91年)で、その端正なマスクに魅了された女性ファンは数知れず。その後『スピード』(94年)『マトリックス』シリーズ3部作(99~03年)で世界的な認知度も獲得している。
最初はマイナーな映画志向があったジョニー。アーチストやミュージシャンとの親交も深く、元々単なるアイドルではなかった。
「スピード」でメジャーになる以前から「ハートブルー」「ドラキュラ」などで人気があったキアヌ。とにかくシャイで有名だった。
いわば、前記4人のイケメンたちは、個性は違っていても、まさにハリウッドを象徴する美形スターたち。そして、平成が終わろうとするいまなおスターの輝きを放ちつつ、確かなキャリアを積み上げていることが、素晴らしい。
もちろん、90年代にはほかにも、『プリティ・ウーマン』(90年)で再ブレイクしたリチャード・ギア、『ボディガード』(92年)のケビン・コスナー、TVシリーズ『ER/緊急救命室』での人気を踏み台に映画界に転身したジョージ・クルーニーなどもいる。まばゆい若手イケメンが人気のいっぽうで、セクシーな大人の魅力を持った彼らも、またファンにはたまらないのだった。