よしひろまさみち
映画ライター、編集者/本誌連載『脇役なしでは生きられないッ!』をはじめ、「スッキリ」のコメンテーターなどテレビでも活躍中。
昭和の重量級から細マッチョへ……
昭和の筋肉美スターといえば、アーノルド・シュワルツェネッガーやシルヴェスター・スタローン、メル・ギブソンと、今でも現役の重量級アクションスターばかり。それに比して、平成の30年間で出てきた筋肉美スターは、いわば細マッチョ(いや、シュワとかと比べれば、ですよ。実際は想像以上に分厚いんだから)。たとえば「スピード」シリーズや「マトリックス」シリーズのキアヌ・リーブズ、「ファイト・クラブ」のブラッド・ピット、「バットマン・フォーエヴァー」のヴァル・キルマーとか。あ、キアヌはともかく、この平成初期の筋肉美スターは、今かな〜り劣化してますけどね。ともあれ、平成は重めの肉よりも軽めの肉がいい、っていう感じで始まったのではなかろうかと。
そのため、平成、というよりも2000年代に入ってから出てくる筋肉美スターは、ギリシア彫刻のようなおからだが多かったのよね。今や「ワイルド・スピード」ファミリーの仲間になったジェイソン・ステイサムや(このシリーズにおいては故ポール・ウォーカーがキラ星のように光り輝いておりましたが……)、チップンデールの過去を見事にさらした「マジック・マイク」のチャニング・テイタム、「クリード」シリーズのマイケル・B・ジョーダンなどなど、服の上からでも分かる美しいボディライン!
その集大成とも言うべきなのがマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)よね。世界三大クリスことエヴァンズ&ヘムズワース&プラット、それにプラスしてスパイダーマン役のトム・ホランド、ブラックパンサー役のチャドウィック・ボーズマンなど。これでもか!ってくらい肉躍るMCU。日本基準の細マッチョというにはだいぶガタイがいいんだけど、でもミニタンクみたいなシュワちゃんとかと比べたら細い細い。筋肉美スター、次の世代はどんなマッチョがくるかしらね〜。