杉山すぴ豊(SUGIYAMA SUPI YUTAKA)
アメコミ系映画ライター。雑誌や劇場パンフレットなどにコラムを執筆。アメコミ映画のイベントなどではトークショーも。大手広告会社のシニア・エグゼクティブ・ディレクターとしてアメコミ映画のキャンペーンも手がける。
連載「すぴのアメコミワンダーランド」前回はこちら!
彼らはただ“消えた”のではない、大事なヒントを残しているのです
宇宙からやって来た魔人サノスとアベンジャーズらヒーローたちの全面対決を描いた「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」。
この銀河が存続するにはあらゆる生き物の数が多すぎると考えるサノスは、宇宙にある6つのパワーストーン≪インフィニティ・ストーン≫を手に入れ一瞬にして銀河の人口を半分にしようと企む。ヒーローたちはなんとかサノスの野望を止めようとするが失敗。そして「インフィニティ・ウォー」では多くのヒーローたちが消え去る、というヒーロー映画史上類を見ないショッキングな展開となった。
ところでその“消え方”には、「エンドゲーム」についてのヒントが隠されている。まずインフィニティ・ストーン争奪戦の段階で、ロキが殺され(スペース・ストーン)、ガモーラが犠牲となり(ソウル・ストーン)、ヴィジョンが心を失った(マインド・ストーン)。いずれも一筋縄でいかないこの3人。彼らがその命と引き換えに自身のストーンに何らかの細工をしていたら?それが起死回生につながる可能性はあるのではないだろうか。
次にインフィニティ・ガントレットが発動され消えて行ったヒーローたち。スパイダーマンは消える際、“死にたくない”ではなく“行きたくない”と言っている。ということは、別次元に飛ばされたという解釈も成り立つ。ドクター・ストレンジも消えゆく際、すべてが想定内ともとれる態度をとっている。そもそも“エンドゲーム(終盤戦・大詰の意味)という言葉もストレンジが最後に発している”のだ。彼らは何を見、何を知ったのか?
生き残ったヒーローたちに目を向けてみよう。ガーディアンズのロケット。彼はメカの天才なので、この状況を打破するすごいマシンや武器を生み出すかもしれない。「インフィニティ・ウォー」に参加しなかったアントマンとキャプテン・マーベル。アントマンは量子世界にいて難を逃れたが、キャプテン・マーベルは、彼女自身にインフィニティ・ストーンの力を跳ね返すパワーがあるのか?この2人の存在が世界を救う鍵となりそうだ。
注目すべきはキャプテン・アメリカ、アイアンマン、ソー、ハルク、ブラック・ウィドウ、ホークアイと初期アベンジャーズの6人が生き残っていること。これには何か意味があるのか?いみじくも6という数字はインフィニティ・ストーンの数と同じ。これは偶然なのだろうか?一つだけ確かなのは、「エンドゲーム」を見る前に「インフィニティ・ウォー」はぜひ見ておくべき、ということだ。
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