【PROFILE】杉山すぴ豊 SUGIYAMASUPIYUTAKA
アメコミ系映画ライター。雑誌や劇場パンフレットなどにコラムを執筆。アメコミ映画のイベントなどではトークショーも。大手広告会社のシニア・エグゼクティブ・ディレクターとしてアメコミ映画のキャンペーンも手がける。
ゴジラはアメコミになっていた!しかもアベンジャーズと共演も!?
「アベンジャーズ/エンドゲーム」の興奮冷めやらぬ中、次のアメコミ映画大作は「X-MEN:ダーク・フェニックス」(2019年6月21日公開)。
ですが、実はこの間に2本のアメコミ映画が封切られました。それは何かというと、「ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ」(2019年5月31日公開)と「メン・イン・ブラック:インターナショナル」(2019年6月14日公開)なのです。「メン・イン・ブラック」(MIB)は1990年に出版されたアメコミが原作。この出版社は2回買収され、最後はマーベルに買収されました。
ただしマーベルのヒーロー世界にMIBが出てくることはなかったと思います。よく調べたら最初の出版社はカナダに拠点を置いていたので、アメコミではなくカナコミかな?
映画「メン・イン・ブラック」シリーズの歴代出演者はウィル・スミス(「スーサイド・スクワッド」)、トミー・リー・ジョーンズ(「バットマン・フォーエヴァー」)、ジョシュ・ブローリン(サノスにして「デッドプール2」のケーブル)とアメコミ・ヒーロー映画に出演していますが、今回はマイティ・ソーことクリス・ヘムズワースとテッサ・トンプソン(「マイティ・ソーバトルロイヤル」の女戦士ヴァルキリー)が主役コンビ!ソーをいじったネタもあり、楽しみです。
そしてゴジラ!
なんとゴジラは1977年から2年ほど、マーベルでアメコミ化されていたのです。タイトルもズバリ『ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ』。ゴジラは結構映画が輸出され、アメリカでも人気キャラだったので、そこにマーベルが目をつけたのでしょう。他のマーベル・ヒーローたちとも共演しており、僕の持っている号ではニューヨークに上陸したゴジラをアベンジャーズが迎え撃つというお話でした。シールドにはゴジラ対策チームも設置されていて、レッド・ローニンという対ゴジラ用巨大ロボットも登場します(笑)。必ずしもゴジラを恐怖の悪役として描いてはおらず、ハルクのような存在かな。
ゴジラは反核の、文明批判の映画として評価されていますが、僕がゴジラ映画を観始めた時はすでにVS物で、正義の怪獣ゴジラが悪の怪獣と戦うというフォーマット。怪獣ヒーローなのです。マーベルも今回のハリウッド映画版もこの路線を受け継ぎ、“スーパーヒーローとしてのゴジラ”的要素がありますね。