01:
タロン・エガートンの神がかり的な名演
野心に燃える青年期から、スターになって頭髪も薄くなってくる中年期まで、その変化をみせきったタロン・エガートンの演技力には驚くばかり。歌声も口パクなし。すべてタロン自身のもので、ボイストレーニングでエルトンそっくりの歌唱法を再現。「クロコダイル・ロック」のファルセット(裏声)なんて本人そのもの!さらに3ヶ月、毎日数時間ピアノの練習も続け、エルトンのパフォーマンスを完コピしたタロン。実際のエルトンの映像と比較するシーンもあるので、パーフェクトな仕上がりを実感できる。
02:
エルトン・ジョンの天才ぶりがすごすぎ
エルトン・ジョンといえば、キラキラのコスチュームを身につけたステージが有名。今作では、彼の「伝説」のパフォーマンスのいくつかが再現される。LAのライヴハウスでの熱狂や、女王様キャラと化して現れたり、ピアノを弾きながら下半身が吊り上げられたりする演出など、興奮とサプライズの連続。ライヴ会場にいる臨場感も味わえる。そして曲自体がドラマチック。メロディだけでなく歌詞が、エルトンや作詞家バーニーの心情を反映して、心を鷲掴みにされる。エルトン・ジョンの偉大さを今作で改めてリスペクト!
03:
ミュージカルの魅力が最大限に発揮
「ロケットマン」で、映画ならではの演出といえば、数々のミュージカル場面。水中バレエのような幻想的シーンから、ライヴハウスで妖しく踊る客たち、さらに場面が次々と変わる演出など、めくるめく世界に魅了される。少年時代の1950年代に始まり、各時代のカルチャーをゴージャスに再現した衣装やセットも見どころ。50人のダンサーと300人のエキストラを使い、エルトンが少年から青年へ変わる魔法のような演出のナンバーは圧巻。曲の歌詞がぴたりとハマっているのも奇跡的!
04:
切なく胸に迫るエピソードの数々に感動
両親との関係は超ドライだし、恋人や結婚相手の女性とは心が通い合わなかったりと、エルトンの人生は切なさ満点。しかし、さりげない愛情が彼を支えていたというドラマがじわじわ感動を盛り上げる。家族でただ一人、応援してくれた祖母や、生涯の友となったバーニーとの会話やエピソードに胸を揺さぶる瞬間を用意。そして少年時代の自分との対話という、映画らしいシーンも。この演出は、エルトンが音楽を担当したミュージカル「ビリー・エリオット」(「リトル・ダンサー」の舞台化)へのオマージュにもなっている。