60年代後半に流行したファッションをおさらいしよう!
ファッションの歴史の中でも、若者の価値観が既存の常識をぶち壊したという意味で、どの時代より派手に盛り上がったのが1960年代。ヒッピー、サイケ、モッズ、ミニスカート、デニムetc。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が描くのは1969年のハリウッドだ。長引くベトナム戦争の影響で脱社会を謳うヒッピーたちが町に溢れ、ハリウッドがTVに押されて新しい方向性を模索していた頃の映画界が舞台だから、当然、時代の転換期を象徴するような超カラフルで、同時に、今見るとレトロな60'sファッションとアイテムが次々にに登場する。
反戦の象徴であるヒッピー・ファッションの特徴は、花柄や幾何学模様、またはペーズリー柄のカフタンドレス、ヘアバンド、バンダナというカラフルなコーデ。女性たちはカットオフされたデニムのパンツを股下ギリギリで穿いていたりする。
映画の中でマーゴット・ロビーが演じるシャロン・テートは、家ではストライプのTシャツとデニム・パンツでくつろいでいるし、郊外のコミュニティで暮らす謎のヒッピー集団も、際どいデニム・パンツでぞろぞろと町を歩いている。
シャロンが着る蛇革のロングコートもサイケなヒッピー・ファッションをコピーしたものだ。
画面にチラッと登場するシャロンの夫、ロマン・ポランスキーのカールしたロングヘアは、L.A.に来るまで2人が暮らしていたロンドンを席巻していたカルチャー・ムーブメント、モッズの影響だろう。
また、ハーフダウン・ヘアのシャロンがパーティに繰り出してゴーゴーを踊るシーンで、彼女のボディに張り付くショッキング・イエローのチュートップとホットパンツと膝下までのブーツはもろ60'sだし、同じく、膝上までのミニスカートは、女性ファッションに革命をもたらした1960年代の代表的なアイテム。
ゴーゴーパーティでシャロンの側ではサイケなペーズリー柄のジャケットを羽織った映画関係者?が地味にステップを踏んでいる。
特に、元はと言えば1959年代にイギリスのデザイナー、マリー・クワントが考案し、その後、フランス人デザイナー、アンドレ・クレージュがブームに拍車をかけたミニスカートは、人気モデル、ツイッギーによって世界中に拡散されていく。ミニスカートにはカラフルなストッキングを合わせるのが必須だ。
映画界でも、伝統を重んじる1966年の第39回アカデミー賞授賞式に、ジュリー・クリスティが恐らくオスカー史上初めてミニスカートを穿いて登壇し、けっこう物議を醸したりもした。
リアルタイム・セレブに学ぶ〝60年代ファッション〞:女優編
マーゴット・ロビー
![画像: マーゴット・ロビー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782943/rc/2019/08/20/a859967d930a1763437ebf27888692e6c1d521f2_xlarge.jpg)
マリー・クワント、またはクレージュのミニスカート&ブーツで決めた「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のマーゴット。衣装担当はトム・フォード監督の「ノクターナル・アニマルズ」(2016)等で知られるマリアンヌ・フィリップスだ。
ツイッギー
アメリカン・ネイティブっぽいスエードのミニドレスと同じ素材のブーツ、ショルダーバッグでタラップを下りる人気絶頂だった頃のツイッギー。ミニスカートの伝道師として、今も女子たちの憧れと尊敬の的だ。
キャンディス・バーゲン
1965年にサンローランが画家のビエト・モンドリアンの作品に触発され、発表したカラフルなミニスカート、人呼んで"モンドリアン・ルック"を意識したワンピースと帽子でカメラに収まるキャンディス・バーゲン。
シャロン・テート
![画像: シャロン・テート](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782943/rc/2019/08/20/5d658af1113752e25301a2e8a147f0ddbefdca14_xlarge.jpg)
シャロン・テートは劇中にも登場する自身の出演作「サイレンサー第4弾/殺人部隊」(1968)の中で、キャビン・アテンダントのユニフォームをタウンウェアに落とし込んだようなスカイブルーのパンツルックを披露している。
フェイ・ダナウェイ
冬のパリに佇むフェイ・ダナウェイは、いかにもハリウッド女優らしい毛皮のコートで。毛皮の帽子をベレー風に被っているのは、彼女が主演して一世を風靡した「俺たちに明日はない」(1967)のボニー・ルックを意識したもの。
ジャクリーン・ビセット
![画像: ジャクリーン・ビセット](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782943/rc/2019/08/20/d3e769285ed65125c4f72fb886fba46e3f399c97_xlarge.jpg)
黒地に茶色の花柄が浮き立つ、色はシックだけどよく見るとサイケなジャケットを羽織り、首には'60年代に流行ったスカーフを何重にも巻いたジャクリーン・ビセット。プリント・オン・プリントはど派手の極致だ。
ブリジット・バルドー
ホットパンツにブーツの組み合わせで'60年代のファッション・アイコンとなったBBことブリジット・バルドー。金属のトップに刺繍のシースルー・パンツは、当時流行したメタリック・ファッションのテイスト。
クラウディア・カルディナーレ
![画像: クラウディア・カルディナーレ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782943/rc/2019/08/20/c113aed5adfae656b4f86261e04298a5115efaf5_xlarge.jpg)
刺繍とスパンコールが合わさったミディドレスに、フェイクファーのストール。ヒッピーのサイケもカルディナ-レの個性を通すとよりゴージャンスに変身する。'60年代、ハリウッドに進出した頃の彼女のショットだ。
アン・マーグレット
![画像: アン・マーグレット](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782943/rc/2019/08/20/1ac85e8a3b2c8b8fe35b94de2ab6d44f244e967a_xlarge.jpg)
ロングヘアにプリントのミニ、黒いレザーブーツは典型的なゴーゴーガール風。歌とダンスで'60年代のハリウッドを駆け抜けたアン・マーグレットの、これはユニフォームのようなスタイル。セクシーでヘルシーだ。