「ロケットマン」で登場人物の心象を表わすために使われているのは、すべてエルトン・ジョンの既存曲。もちろん歌詞もそのままだ。にもかかわらず、映画の各シーンにまるで魔法のようにピタリとハマッている。全22曲がどのシーンで使われたかを完全ガイド!
♪M16:ロケット・マン【Rocket Man】
映画のタイトルになったように、今作の最大の見せ場で流れる。薬物の過剰摂取から自殺を図りつつ、ステージに立つまでを、プールの底で過去の自分と出会うなど幻想も交えて描く。
♪M17:ベニーとジェッツ【Bennie And The Jets -Interlude】
さらに薬物に溺れ、男たちとの関係も奔放になっていくエルトンの状況を、女王のようなゴージャスなコスチュームで歌うステージと重ねる。過激で退廃的なムード満点のシーンが完成。
♪M18:僕の瞳に小さな太陽【Don't Let The Sun Go Down On Me】
自分の心を理解してくれたレコーディング・エンジニアの女性、レネーテ・ブリューエルとエルトンは結婚。ジョージ・マイケルとデュエットしたこの曲が短い結婚生活と重なる。
♪M19:悲しみのバラード【Sorry Seems To Be The Hardest Word】
どれだけ成功しても自分のことを認めてくれない母親。その事実を改めて受け止めるエルトン。母と息子のシビアな関係を、エルトンとレストランの客たちが歌い、切なさを倍増させる。
♪M20:グッバイ・イエロー・ブリック・ロード【Goodbye Yellow Brick Road】
スターの華やかな生活と人間としての幸せを対比させ、クライマックスで作品のテーマを強烈に訴える。前半はバーニーが、後半はエルトンが歌う。タイトルは「オズの魔法使」に由来。
♪M21:アイム・スティル・スタンディング【I'm Still Standing】
バーニーとの共作を再開した後のヒット曲。エルトンが「立ち上がる」本作のフィナーレにPVを再現するかたちで使われる。タロンはアニメ「SING/シング」でもこの曲を歌った。
♪M22:ラヴ・ミー・アゲイン【(I'm Gonna)Love Me Again】
エンドロールで流れるこの曲は、「ありのままの自分を愛する」という歌詞にエルトンの生き方が凝縮されているうえ、エルトンとバーニーの友情も語っているようで、感動もひとしお!