映画史に残る「バック・トゥ・ザ・フューチャー(BTTF))」3部作はなぜここまで長くファンに愛されるのか?3作それぞれの見どころを紐解いてみましょう。(文・田中雄二/デジタル編集・スクリーン編集部)

人気が人気を呼び第1作から4年をへて登場した続編は すべてがスケールアップ!
「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2」(1989)(続き)

パート3も見なくては、という気持ちにさせられる演出

画像: SCREEN 1989年12月号より

SCREEN 1989年12月号より

また、マーティが未来から持ち帰ったスポーツ年鑑が敵役のビフ(トーマス・F・ウィルソン)の手に渡り、それによって、彼はスポーツ賭博で大金持ちになり、マーティの父ジョージを殺して、母のロレイン(リー・トンプソン)と無理矢理再婚。さらに、ドクは精神病院に入院させられ...と、マーティにとってのディストピアが描かれる。つまり、本シリーズの取り柄である明るさに欠け、見ていてつらくなるところがあるのだ。

ただ、スピルバーグ+ゼメキスのしたたかなところは、そうしたもやもやとした気持ちを晴らすために、「こうなったら『PART3』も見なくては」と観客に思わせたところだろう。さて、本作の小道具では、何と言ってもスポーツ年鑑が目立つ。実際、未来の結果を知っていれば金儲けには大いに役立つが、結果の分かっているスポーツ観戦ほどつまらないものはない。その意味では、われわれは、良くも悪くも未来を知らないからこそ生きていけるのかもしれない、という気にさせられる。

そして、本作では〝未来〞だった2015年も今や過去となったが、本作に登場した飛行する車やホバーボードはいまだに開発されていない。本作で描かれた未来像と、実際の2015年は大きく違っていたことになる。本作の想像力は現実を遥かに超えていたのだ。

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