「スター・ウォーズ」シリーズでの彼女の貢献度とは?
文・平沢薫
2度目の女優部門ナンバーワンに輝いたデイジー。その原動力はやはり何と言っても「スター・ウォーズ」シリーズのレイ役の好演があってこそ。3部作を演じ切った彼女の貢献ぶりを振り返ってみましょう。
「スター・ウォーズ」サーガの美しい結末は女優デイジーの演技力があってこそ
1977年に開始、全9作に及んだ壮大なサーガ「スター・ウォーズ」。その最後の三部作の主人公という重要な役を見事に演じきったのがデイジー・リドリー。彼女が演じる主人公レイは、『フォースの覚醒』で初登場したときから、一目見ただけで、辺境の惑星でひとりで生きるたくましさ、敏捷に壁をよじ登る身体能力を備え、彼女が大地に立つ姿勢と同じ、心の真っ直ぐさが伝わってきた。
そして最新作『スカイウォーカーの夜明け』でサーガを完結させたのも、レイだった。彼女は重い宿命に流されず、自分で行く道を選ぶ。それを宣言して自作の新たなライトセーバーを構えると、その光はこれまでの青や緑や赤とは違う、新たな色に輝くのだ。この瞬間のカッコよさ。このサーガの見事な結末が描けたのは、レイという魅力的なヒロインを生み出した、女優デイジー・リドリーの存在感と演技力があってこそだろう。
そもそもデイジーにはレイと共通する部分がある。デイジーは、レイ役のためにキックボクシングなどの厳しい特訓を続けたが、その熱心さはジェダイ修行に取り組むレイと同じ。そして、レイにもともとフォース感応力があったように、デイジーにも素質があったのに違いない。
『最後のジェダイ』のスタント・コーディネイター、リャン・ヤンは、レイのライトセーバー・バトルの動きは難しく、出来るようになるには3日間は練習が必要だと思っていたが、デイジーは何と分でマスターしたのだ。
「スター・ウォーズ」以外でも活躍中
そして、デイジーもレイも、最初は誰も知らない無名の人だった。デイジーは1992年4月2日、ロンドン生まれ、父は写真家、母は銀行員で、三人姉妹の末っ子。9歳から歳まで演劇学校に通い、2013年からTVや映画に出演するようになるが、『フォースの覚醒』以前は小さな役ばかりだった。
しかし、レイと共に、デイジーの活躍の場も増えていく。まず、ケネス・ブラナー監督『オリエント急行殺人事件』(2017)に出演。ちなみに同作で共演した英国男優トム・ベイトマンと交際中との噂だが、デイジーは私生活は語らないのでコメントはなし。
また、『ピーターラビット』(2018)ではピーターの妹ウサギ役で声優にも挑戦、その続編も今年公開になる。本年のオスカーで注目の『1917 命をかけた伝令』のジョージ・マッケイ共演のシェークスピア原作映画『オフィーリア』(2018)は日本でも放映済みだ。
今後も『スパイダーマン』シリーズのトム・ホランド共演で人気ファンタジー小説「混沌の叫び」を映画化する新作『カオス・ウォーキング』が2020年全米公開。レイがこれから新たな道を歩んでいくように、女優デイジー・リドリーの活躍はこれから始まっていくのだ。
「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」(公開中/ウォルト・ディズニー・ジャパン配給)©2019 ILM and Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(ディズニーデラックスで配信中) © 2016 & TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」(ディズニーデラックスで配信中) © 2018 & TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.