2020年6月19日(金)「エジソンズ・ゲーム」がついに日本公開!今回は登場キャラクターをご紹介です。後半ではベネディクト・カンバーバッチインタビューも大公開!(文・前田かおり/デジタル編集・スクリーン編集部)

ベネディクト・カンバーバッチ
インタビュー

この映画は人間のエゴや執着の行きつく先を描いているんだ

Roy Rochlin/Getty Images

今や英国を代表する俳優の一人、ベネディクト・カンバーバッチ。そんな彼が『エジソンズ・ゲーム』でアメリカを代表する発明家、エジソン役で主演を務めている「。エジソンについては〝近代アメリカの発明家〞としてしか捉えていなかった」と語る彼がどのように役作りをしていったのだろうか。

──そもそもエジソンについてどの程度ご存知だったんですか?

「エジソンの発明に関しては、少しは知っていたけれど、彼と〝電流戦争〞を繰り広げたジョージ・ウェスティングハウスについては何も知らなかった。ニコラ・テスラは少し知っていた。でも、脚本を読んで、エジソンとウェスティングハウスが年後の未来を考えていたとしたら、テスラは100年後を考えていた人だったと改めて感じたよ」

──そんなエジソンの役作りはどこからアプローチしていったのですか?

「何もないところからだった。アメリカの象徴のような人物を演じるのは少し緊張もしたし、アメリカ一の発明家で最も多くの特許を持っている人と言われているからね。

でも、一番考えさせられたのは、彼がこの電流戦争でやったことだ。汚い手段も使ったしフェイクニュースで相手を陥れたりもした。残念ながら今の政治やビジネスも同じことを繰り返しているよね。役作りのために、そんなエジソンを知っていくことはとても興味深かった。

それで、エジソンをただの悪人という描き方ではなく、あれほどの偉業を成し遂げて、失敗も経験している男が、なぜそんな手段を取ったのか。人間的にどういう理由で行動したのかを表現しようと思ったんだ」

──映画の見どころについて教えてく ださい。

「物語は電力供給にまつわる戦いだ。けれど、描かれているテーマは人間の執着の行きつく先についてだ。エジソンはその過程で妻を亡くしてしまうし、テスラはヨーロッパからエジソンの元に働きにやって来るのに、何もかも失って、日雇いでエジソンの会社のための電線を掘ったりしながら、ウェスティングハウスの下に行って彼によってどん底から救われる。

画像: 「エジソンズ・ゲーム」撮影風景

「エジソンズ・ゲーム」撮影風景

電気をめぐって争う男たちの物語だけれど、現代にもつながる男のエゴが描かれている。何かに向かう途中で、何を選択して何を失うかということが描かれる。ここが一番自分に響いたところなんだよ」

──マイケル・シャノン、ニコラス・ ホルトとの共演はいかがでしたか?

「マイケルは最高だよ。とても豪快な人で、人としていろんな引き出しがある。冷静だけど、落ち着きがある。彼といると心地よくて。そんな彼が演じたウェスティングハウスは優しくてみんなが憧れる人間という感じだ。ニックも素晴らしいよ。生粋の役者だね。訛りも本当に細かいところまで研究しているし、テスラの感情の部分もよく研究している。今回、僕とシャノン、ニックが一緒のシーンは少ないんだ。終わってから彼らの演技を見ると、とてもリスペクトを感じたよ」

──監督のアルフォンソ・ゴメス・レホンの仕事ぶりはどうでしたか。Amazon Prime Videoの『ナチ・ハンター ズ』など話題作を手掛けていますが。

「彼の『ぼくとアールと彼女のさよなら』は素晴らしかった。彼は、過去に今を持ち込んで来られる人だ。この作品はロックンロールなんだよ。世の中がガスから電力に移り変わった時代の純粋な感動を、視覚的にどう表現するか。言葉や物語で、どう伝えるかをよく知っている職人で、この作品に彼以上の人はいなかったよ」

「エジソンズ・ゲーム」
2020年6月19日(金)公開
原題:電流戦争/アメリカ/2019/1時間48分/配給:KADOKAWA
監督:アルフォンソ・ゴメス・レホン/出演:ベネディクト・カンバーバッチ、マイケル・ シャノン、トム・ホランド、ニコラス・ホルト、キャサリン・ウォーターストン
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