登場人物紹介02:4姉妹を取り巻く3人のオトコたち
姉妹との出会いで人生が開花:ローリー(ティモシー・シャラメ)
マーチ家の隣りに、裕福な祖父と暮らす。知り合ってすぐに、マーチ家の空気にとけこむことができたのは、ひとりぼっちが寂しかったからか。4人姉妹ひとりひとりとのつきあい方を心得ているように見えるあたり、年齢のわりにはなかなか成熟した青年のようでもある。才気煥発なジョーに惹かれ、真剣な気持ちを告白するが......
ローリーはあまり良い子供時代を送らなかった。裕福だったけれど友達はいなかったし、基本的には家庭教師のブルック氏と閉じ込められていたんだ。だから四姉妹との誘われるような深い関係を知ることで、彼は成長することができたんだ。
とくにジョーとローリーはコインの表裏のような関係。お互いのことが必要不可欠なんだ。ローリーが持っているであろう素質をジョーが客観的に見抜き、それを引き出す。逆もまたしかりで互いを補いあっているんだ。四姉妹は確かに姉妹だけれど持っている能力や雰囲気がそれぞれ違う。彼女たちの絆はとても強くて、監督の見る目は確かだったよ。
誠実さでメグの心をゲット:ジョン・ブルック(ジェームズ・ノートン)
ローリーの家庭教師としてマーチ家ともつながりが生まれ、長女メグに思いを寄せる。姉妹の父親が負傷した際には、見舞いに向かうマーチ夫人に同行、その誠実さもあって、大いに頼られる存在となった。
ジョンはスピリチュアルで真面目で、とてもロマンチック。彼の人生に女性が現れると困惑してしまうんだ。当時の男性はみんなそうだったようにね。本当にこのプロジェクトを進めた女性たちには感心しかないんだ。監督のおかげで、この映画は生命力と活力に満ち、若さあふれる作品に仕上がっているよ。サイドラインに立つ男性陣の一人になれたことは本当に名誉なことだよ。
ジョーの感情を揺さぶる唯一の存在:フレデリック(ルイ・ガレル)
文筆家としてデビューするため移り住んだN.Y.でジョーが出会う、やはり作家志望で教師の青年。作品に手厳しい批評をして、ジョーには煙たがられるが、その的確な指摘がジョーを奮い立たせることにもなった。
パワフルな女性たちと仕事をすることができて、とても楽しかったね。グレタ監督は『若草物語』に心から共感していた。彼女にとってジョーはとてつもなく重要な存在なんだ。ジョーは自分自身だと感じていたんじゃないかな。『若草物語』はこれまでに何度も映画化されているけれど、本作を見てがっかりするなんてことは絶対にないよ。この作品には、様々な工夫が加えられているからね。
「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」
2020年6月12日(金)公開!
19世紀のマサチューセッツ州ボストン。マーチ家の個性豊かな四姉妹は、愛する母マーミー(ローラ)とともに南北戦争に出征中の父を無事を祈りながら幸せに暮らしている。次女ジョー(シアーシャ)は、情熱家で自分を曲げられない自らの性格に手を焼きながらも、小説家として自立することを望み、執筆に励む日々。女優の才能がある美しい姉メグ(エマ)を慕うが、メグが望むのは愛する人との結婚だ。ジョーが溺愛する心優しき三女ベス(エリザ)は病という大きな壁に立ち向かい、頑固さゆえにジョーと衝突してばかりの四女エイミー(フローレンス)は彼女の信じる形で家族の幸せを追い求める。
輝かしい少女時代を過ごした四姉妹は、幼なじみのローリー(シャラメ)や彼の家庭教師のジョン(ジェームズ・ノートン)、教師のフレデリック・ベア(ルイ・ガレル)らマーチ家を支える新たな柱とともに、自分らしく生きることを願い、それぞれの物語を生み出していく。
原題:小さな女性たち/アメリカ/2019/2時間15分/配給:ソニー・ピクチャーズ
監督:グレタ・ガーウィグ
出演:シアーシャ・ローナン、エマ・ワトソン、ティモシー・シャラメ、フローレンス・ピュー、エリザ・スカンレン、ローラ・ダーン、メリル・ストリープ
2020年6月12日(金)公開