映画館には映画本編を盛り上げるための上映設備がたくさんあります。これまで当連載では、IMAX4DX・MX4DSCREEN X・4DX SCREENを紹介してきましたが、実はこれはほんの一部……。映画館の設備やサービスはまだまだある!ということで、今回は全国の映画館で楽しめるとっておき上映設備を各種ご紹介していきます。

こんなにあるの⁉︎ 映画館の上映設備

これから紹介する各設備は、世界的に普及しているものから映画館系列が独自に展開しているものまで多数あります。

その数なんと13種類‼︎※以前紹介したIMAX・4DX・MA4D・SCREEN Xは除いています

どれもが映画を盛り上げるために開発されたものであり、利用すればこれまで以上に楽しめること間違いないのですが……一体どれが何なのかわからない‼︎ というのがみなさんの本音ではないでしょうか。

そんな悩めるみなさんの期待に応えるべく、ここでは国内の映画館で体験できる上映設備をまとめてみました!

というわけで、さっそくいってみましょ〜!

Dolby Atmos

「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」とは、最大128の独立した音声素材を、最大64の独立したスピーカーから出力できるオーディオフォーマットのことです。

画像: こちらのロゴが目印です。

こちらのロゴが目印です。

簡単にいえば、その音が“発生すべき場所”から鳴らすことができるというもの。ヘリコプターが飛び立つ音ならば観客の頭上から、接近してくるパトカーならば座席の前面から後方にかけて駆け抜けるように音を出力できるというわけです。

シーンに合わせて音がスピーカー間を自由に行き来するため、まさに縦横無尽に音が駆け巡るイメージですね。この臨場感は一度体感すると病みつきになってしまうことでしょう。

【Dolby Atmos 導入劇場】

TOHOシネマズ
日比谷/新宿/池袋/日本橋/仙台/ららぽーと富士見/ららぽーと船橋/柏/赤池/梅田/くずはモール/アミュプラザおおいた

イオンシネマ
幕張新都心/名古屋茶屋/和歌山/京都桂川/岡山

シネマサンシャイン
グランドシネマサンシャイン/シネマサンシャイン平和島/シネマサンシャイン下関

USシネマ
USシネマ木更津

Dolby CINEMA

自然でリアルなHDR映像を映し出すドルビービジョン プロジェクションシステム。
そして、シアター内を自在に移動する三次元サウンド・ドルビーアトモスによる究極の音響。

これら両技術を一体化させるために作られたシアター空間……というのが「Dolby CINEMA(ドルビーシネマ)」です。

ドルビーシネマでは、音響設備は自動的にドルビーアトモスになるわけですね。さらにシアター自体も専用設計なので、より映画に没入できること間違いありません!

YouTubeの松竹チャンネルさんに分かりやすい動画がありましたので、ぜひこちらもご覧ください。

画像: ドルビーシネマトレーラー 松竹マルチプレックスシアターズ youtu.be

ドルビーシネマトレーラー 松竹マルチプレックスシアターズ

youtu.be

【Dolby CINEMA 導入劇場】

Tジョイ
Tジョイ横浜/Tジョイ博多/梅田ブルク

松竹マルチプレックスシアターズ
丸の内ピカデリー/MOVIXさいたま/MOVIX京都

ミッドランドスクエア シネマ
ミッドランドスクエアシネマ(愛知)

THX

AV業界においてもっとも知名度が高いといっても過言ではないのがTHXです。もともとはルーカス・フィルムの1部門で、映画スター・ウォーズの上映前にそのロゴを見たことがある人も多いのではないでしょうか。

THXは、映画館の室内音響(隣接施設や街路交通などの環境音による影響)、映写システム(スクリーン輝度やコントラストなど)、音響システム(スピーカーの設置場所や音圧レベルなど)などをチェックして、すべてをクリアした劇場にTHX認定を与えています。

画像: 映画館の進化が止まらない!全国の上映設備を一挙紹介 【知っておきたい映画館のこと】

THX認定を受けると、このロゴのプレートを掲げること・THXトレーラーの上映が許可されます。

この認定を受けた映画館は、「映画を楽しむための極上空間である」と約束されたようなもの。

ちなみに、この認定に伴うクオリティチェックは年に1回必ず行われ、基準を下回るとすぐに認定は取り消されてしまうとか。厳しい……!

【THX認定劇場】2020年9月現在

イオンシネマ
小樽/大宮/海老名/近江八幡/茨木/戸畑/福岡

dtsX

サウンドオブジェクトを前・後・上・横など、適切なスピーカー位置に動かすことでシーンに合わせたサウンドを再現する技術がdtsX(dts-xとも)です。

コンセプトは先に紹介したDolby Atmosと同じですが、dtsXではスピーカーの配置に縛りがないため映画館に導入しやすいという利点があります。(ユーザーには関係ないですが…)

池袋にあるグランドシネマサンシャインのBESTIA(後述)では、先に紹介したDolby AtmosとdtsXどちらにも対応しています。同じシアターで両方を体験できるのは日本では池袋のみなので、機会があればぜひ足を運んでみてください。

画像: DTS:X Multi-Dimensional Audio for Cinema, Home and Mobile (Japanese) youtu.be

DTS:X Multi-Dimensional Audio for Cinema, Home and Mobile (Japanese)

youtu.be

【dtsX 導入劇場】

シネマサンシャイン
グランドシネマサンシャイン/ららぽーと沼津/姶良

イオンシネマ
シアタス調布/徳島

BESTIA(シネマサンシャイン オリジナル)

最新鋭のレーザープロジェクションシステムと3D音響を一体にした、“シネマサンシャインオリジナル劇場規格”が「BESTIA(ベスティア)」です。

画像: BESTIA(シネマサンシャイン オリジナル)

4Kレーザープロジェクションシステムによって映し出される映像は、これまでの映像と比べ圧倒的に明るく鮮明。コントラスト比が上がったことで、黒をより黒く表現できるため映像に深みがでます。

この美麗な映像を映し出すのは、壁から壁いっぱいに配置された大型高性能スクリーン。このBESTIA用のスクリーンは輝度に均一性があるため、4Kレーザープロジェクションシステムの能力を余すことなく発揮してくれます。

映像を盛り上げるのは、シアター内を“縦横無尽に動き回るサウンド”。この3D音響システム(イマーシブサウンド)は、チャンネルではなくオブジェクトをベースにしたオーディオフォーマットのため、シーンごとに適した場所から音を鳴らすことができます。

BESTIAのサウンドシステムには先にご紹介した「Dolby Atmos」と「dtsX」の2種類が採用されていて、映画に合わせてそれぞれ選択されています。

【BESTIA 導入劇場】

シネマサンシャイン
グランドシネマサンシャイン/ららぽーと沼津/姶良

TCX(TOHOシネマズ オリジナル)

「TCX(TOHO CINEMAS EXTRA LARGE SCREEN)」は、TOHOシネマズオリジナル規格の巨大スクリーンのことです。

画像: 巨大スクリーン「TCX」 www.tohotheater.jp

巨大スクリーン「TCX」

www.tohotheater.jp

その大きさはなんと実物大のマッコウクジラ(12〜18m)が入ってしまうほど!

ただ大きいだけではありません。スクリーン周囲と客席シートのカラーをダーク系に統一することで光の反射を軽減するなど、映画に没入できるようにしっかりと配慮されています。

スクリーンサイズは各劇場によって異なりますが、どれもこれまで以上に大迫力なことに変わりはありません。ぜひ一度体験してみてください!

各劇場とスクリーンサイズは下記の通り。TOHOシネマズのTCX特設ページはこちらからどうぞ。

【TCX導入劇場】【スクリーンサイズ】
日比谷(東京)19.8×8.3m(スクリーン1)
16.5×6.9m(スクリーン5)
新宿(東京)8.0×19.2m(スクリーン9)
池袋(東京)14.4×6.0m(スクリーン6・10)
六本木ヒルズ(東京)8.4×20.2m(スクリーン7)
日本橋(東京)18.7×7.9m(スクリーン7)
16.0×6.7m(スクリーン8)
立川立飛(東京)17.1×7.2m (スクリーン7)
仙台(宮城)6.3×15.0m(スクリーン9)
ららぽーと富士見(埼玉)7.8×18.7m(スクリーン1)
ららぽーと船橋(千葉)10.1×18.8m(スクリーン4)
柏(千葉)7.0×16.1m(スクリーン6)
市原(千葉)18.5×8.35m(スクリーン9)
赤池(愛知)16.9×7.2m(スクリーン5)
梅田(大阪)6.3×15.0m(スクリーン1)
くずはモール(大阪)8.4×20.0m(スクリーン1)
アミュプラザおおいた(大分)6.2×15.0m(スクリーン2)
熊本サクラマチ(熊本)18.0×7.5m(スクリーン5)

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