美しくて世界一邪悪な魔女の世にも恐ろしい秘密の計画とは?
魔女たちは人間と同じ外見で世界のあちこちに潜んでいた!
ジョニー・デップの当たり役のひとつとなった2005年公開の「チャーリーとチョコレート工場」。カラフルでキュート、でもちょっぴり怖い、あの不思議な感覚を再びよみがえらせてくれるのが、同じくロアルド・ダールの原作を映画化した「魔女がいっぱい」だ。
1990年に一度映画化されているが、今回、監督を任されたのが、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「フォレスト・ガンプ/一期一会」の巨匠、ロバート・ゼメキス。予想外のビジュアルと物語で心ざわめく体験が待っている!
世界のあちこちに潜んでいるという魔女は、外見は人間たちとまったく同じで、上品なファッションに身を包んでいる。彼らは時々、まわりの人間に邪悪な魔法をかけていた。魔女の存在に気づいた相手を、動物に変身させてしまうのだ。
そして魔女が最も毛嫌いするのは、人間の子供……。タイトルが示すように、その魔女たちが集結するのが基本ストーリー。舞台は1967年。両親を亡くした8歳の少年は、アラバマ州の田舎町でグランマ(祖母)と生活することになる。
そんな彼の前に現れたのが、身につけた手袋が蛇に変わる怪しい女性。その話を聞いたグランマは、親友が魔女に呪いをかけられた少女時代を思い出す。少年に迫る危機を察し、彼を連れて海辺のリゾート地へと向かうグランマだが、そこには魔女たちも集まってきており、ある壮大な計画を始めようとしていた!
ロアルド・ダールらしい「怖い絵本」をめくる感覚
子供たちがネズミの姿に変えられるなど、魔法にかけられるシーンがめくるめく映像で展開。ロアルド・ダールのファンタジックな世界に一気に引き込まれるのは、「チャーリー〜」とまったく同じ。
一見、子供向けのようで、ブラックなユーモアもたっぷり込められ、「怖い絵本」をめくるような感覚が、ロアルド・ダールらしい。その強烈なテイストを加速させるのが、魔女たちを統率するグランド・ウィッチ(大魔女)だ。
演じるのは、アン・ハサウェイで、ただでさえ目鼻立ちのくっきりした彼女が、特殊メイクとCGで恐ろしい形相に変わるシーンでは、怖さとユーモアの究極のマッチを体感できるはず。
リゾートのホテルの支配人役は、こちらも名優のスタンリー・トゥッチ。アンとの共演に「プラダを着た悪魔」を思い出す人も多いだろう。グランマ役にはオスカー女優のオクタヴィア・スペンサー。
大人になった主人公の少年の声を担当するクリス・ロックも含め、芸達者たちのアンサンブルも見どころだ。プロデューサーには、もともと映画化の原案を考えていたギレルモ・デル・トロ、さらにアルフォンソ・クアロンという巨匠が名を連ね、ゼメキス監督をバックアップ。これ以上ないスタッフ&キャストが、大人も心から楽しめるファンタジーを完成させた。
スピーディなアクションに、家族と友情のドラマ、ヒネリの効いた結末が噛み合って、ハリウッドのエンタメ作品が好きな人には最適な一本。ぜひ劇場のスクリーンで体感したい!
「魔女がいっぱい」注目ポイント
ポイント1:ロアルド・ダールって、どんな作家?
イギリスの作家で、ブラックなテイストもあふれた児童文学が有名。今作や「チャーリー~」のほか、「ジャイアント・ピーチ」「ファンタスティック Mr.FOX」「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」と映画化作品も多い。「007は二度死ぬ」など映画の脚本家としても知られる才人。
ポイント2:アン・ハサウェイの外見&怪演にびっくり
髪の毛のない頭を隠すためウィッグをつけていて、口は耳まで裂けているグランド・ウィッチ。歩き方やセリフ回しも独特で、これまでの映画とはまったく違うアン・ハサウェイが登場する。演じた彼女もに大いに満足したようで、特殊メイク姿をインスタグラムにアップ。
ポイント3:なぜかかわいい、映画のネズミたち
魔法でネズミに変えられた子供たちの動きや会話はユーモラスで愛くるしい。リアルなネズミは好き嫌いがわかれるけれど、CGキャラのネズミは「スチュアート・リトル」や「レミーのおいしいレストラン」など、親しみやすいものばかり。今回もネズミキャラに感情移入は確実!?