毎月公開される新作映画は、洋画に限っても平均40本以上!限られた時間の中でどれを見ようか迷ってしまうことが多いかも。そんなときはぜひこのコーナーを参考に。スクリーン編集部が“最高品質”の映画を厳選し、今見るべき一本をオススメします。今月の映画は映画の歴史の裏側で活躍してきた知られざる“スタントウーマン”たちのリアルを捉えたドキュメンタリー「スタントウーマンハリウッドの知られざるヒーローたち」です。

女性ならではの“繊細な仕事”に胸を打たれる

画像: 女性ならではの“繊細な仕事”に胸を打たれる

アクション映画にとって欠かせないスタントマン。この仕事に文字通り命を懸ける女性たちに焦点を当てた本作は、映画製作の裏側を長く支えてきた彼女たちの奮闘の歴史がわかる貴重な記録です。

迫力のあるアクションを求められる現場は、女優のスタントを男性がすることもあるとか。力任せではなく“繊細さ”で勝負したいと語り、女性らしさを大切にしながらも常に努力を惜しまない姿には胸が熱くなります。

危険と隣り合わせの仕事ゆえ、できないことはきちんと断ることも大事だと言います。彼女たちが働く上での心得はどれも重みがあり、一社会人としても胸に刻みたい言葉ばかり。

今も決して良い環境とは言えない彼女たちにとって、終盤に登場する女性は、憧れであり道しるべとなっています。女性たちのキャリアがもっと広がる映画業界であってほしいと祈るばかりです。

レビュワー:阿部知佐子
骨折や脳震盪は日常茶飯事だという話は目眩がしそう…ですが決して命知らずなわけではない彼女たちのプロの仕事にしびれました。

溢れるスタントへのプライドと情熱

スポットが当たりにくいスタントダブル、とりわけ女性に焦点を当てた本作。映画という歴史ある業界でいかに彼女たちが奮闘し、道なき道を切り開いてきたのかが垣間見えます。

一方的に能力を限定されるもどかしさ、そしてそれを証明するにはやってみせるしかない。日々の鍛錬を欠かさない彼女たちの在り方がとてもかっこ良く、何でも対応できるように得意分野は持たない、女優を演じている、等々スタントについて生き生きと語るその姿には、仕事に対するプライドと情熱が溢れています。

また、切り口は女性スタントですが、映画の歴史を見ているようでも。CGに慣れてしまった今、ひと昔前のアクション大作はちょっと古っぽく感じることも。ですが本作鑑賞後は旧作も新作も今までとは違った見方でアクションシーンを楽しめそうな一品です。

レビュワー:中久喜涼子
製作総指揮&ナビゲーターのM・ロドリゲス(白スーツがかっこいい!)。一緒に作品を作ってきた彼女たちへの感謝とリスペクトに満ちています。

スタントシーンの後に浴びる拍手は格別らしい!

年齢も人種も異なる女性が次々登場しカメラに語る。一見軽やかに見えるが、その内容は演じた作品とお気に入りのアクション、現場の様子等について。彼女たちは“スタントウーマン”、女優の代役を演じながら危険に挑む唯一無二の職業であり、本作の主人公だ。

アクションシーンの裏話も文句なしに楽しいが、それだけには留まらず、背後にある命懸けの過酷さや性別・人種といった差別との闘いを、この道50年以上のレジェンドからMCU作品に参加する若手まで総勢30名の言葉で掘り下げていく。

関わった作品の数だけ差別を受けたのではと思える強烈なエピソードと、それを力に変えた先のキャリア。もはや彼女たちの歴史がそのまま映画だ。またスタントをやりたいと涙ぐむ大先輩へ後輩が“あなたは歴史の一部よ”と返す場面に、バトンが誠実に受け継がれていく未来が見えた。

レビュワー:鈴木涼子
製作は“ミシェロド姐さん”ことM・ロドリゲス。短い出演ながらも、豪快な笑い声やカースタントではしゃぐ姿など飾らぬお人柄がステキ。

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