最新インタビューを通して編集部が特に注目する一人に光をあてる“今月の顔”。今回取り上げるのは、2歳から芸能活動を始め、同じく女優の姉ダコタの幼年期役などを経て、主演女優へとキャリアアップしていったエル・ファニング。おとぎ話から抜け出した妖精のような瑞々しさと多彩な表現力で年々輝きを増していくエルの最新作は、ロシア帝国を築き上げた“女帝エカチェリーナ”の愛と生涯を描くドラマ『THE GREATエカチェリーナの時々真実の物語』。昨年配信されたNetflix映画『最高に素晴らしいこと』に続き、本作でも主演兼プロデューサーとして名を連ね、製作者としての才能も開花させる彼女に、エカチェリーナというキャラクターや本作の魅力について聞いた。(文・山崎ともみ/デジタル編集・スクリーン編集部)

── ご自身のアイデアが活かされている部分はありますか。

「トニーは脚本をしっかり遵守するので、台詞のアレンジやアドリブは許されません。でも彼にも不得手はあります。彼は若い女の子ではないから、そこは協力して私の意見を取り入れてもらいました。

エカチェリーナは美しくて自信家で、若干傲慢。でも私は彼女のそんなところが好きなので、そういった演技のバランスを話しました。また、ピョートル役のニック(ニコラス・ホルト)とのシーンは二人の複雑な関係性を描きたくて、別々の次元にいるように見せないようにしています。ニックのようなスパークリングパートナーがいるのは楽しいですね」

── ホルトとの絡み合いや繋がりが本作のコメディー部分を担っています。お二人の関係はどのように築いたのでしょうか。

「私たちは以前『マッド・ガンズ』(2014)という作品で共演しました。その時も結婚していましたが、すごく奇妙で複雑な関係でした。だから私たちは“ダメな結婚”は経験済みなんです!もともとお互いを知っていましたが、今回再会できてとてもいい友人になれました。

彼も子役だったし、境遇が似ていたからかな。二人ともふざけ合うのも好きで、そういうところはエカチェリーナとピョートルっぽいかも。彼が演じるピョートルは実際は邪悪なキャラクターですが、ニックが演じるととても愉快でカリスマ性があって好きになっちゃう。

本当は難しいけれど、彼は楽々とやっちゃうんですよね。尊敬できる人がいるから自分もベストを出さなきゃって気になります。お互いに切磋琢磨できる本当に完璧な組み合わせでした」

── ピョートルを愉快で好きになっちゃうとおっしゃいましたが、一話を見る限りでは……

「ですよね(笑)。脚本を読んだときはなんて“不愉快で邪悪な人間”と思いましたが、ニックが皮をむいてくれています。ピョートルは思ったより賢くて、実は物分かりもいい人なんです。今後どうなっていくか楽しみですよね!」

── ドラマのタイトル「THEGREAT」にちなんで、撮影中に“グレート”だったことはありますか。

「たくさんありますが、最終話のラストシーンを撮った時、彼女が女性としてどれほど成長したか、そんな彼女にどれほどなりきれたかということが一番誇らしくて“グレート”でした。

このドラマの美しいところは“運命を全うする”というテーマ。エカチェリーナの真の運命はロシアを寛容と民主主義の地にするということ。とても美しいメッセージだと思います」

「THE GREAT エカチェリーナの時々真実の物語」(2020)

画像3: 製作者としても才能を開花させるエル・ファニング 彼女が目指したものとは?【今月の顔】

『マレフィセント』(2014)のエル・ファニングと『女王陛下のお気に入り』(2018)の脚本家トニー・マクナマラが組み、女性としてロシア史上最長座位を記録した女帝の生涯を史実とフィクションを交えて再現した宮廷ドラマ。

共演は『X-MEN』(2000〜)シリーズのニコラス・ホルト、『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)のグウィリム・リー。皇帝ピョートル(ホルト)との政略結婚でロシアへ嫁いだエカチェリーナ(エル)。彼女は宮廷の陰謀や夫の愚行に悩まされながらも、ロシア帝国の発展に乗り出す。

画像4: 製作者としても才能を開花させるエル・ファニング 彼女が目指したものとは?【今月の顔】

スーパー!ドラマTVにて2021年2月15日(月)より独占日本初放送
※【二か国語版】毎週月曜22:00ほか
【字幕版】毎週月曜24:00ほか

Copyright © 2020 MRC II Distribution Company, L.P.

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