今回70回目を迎えた『SCREEN映画大賞』。その長い歴史の中では、日本の洋画ファンが愛したスターや人気作の移り変わりがはっきりと見えてきます。オードリー・ヘプバーンが彗星のように登場した1950年代から、アメコミ超大作が人気の2020年代まで、70年間の変遷を振り返ってみましょう。
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「スター・ウォーズ」の登場と今に至る人気男優揃い踏みの時代

画像: 『スター・ウォーズエピソード4 /新たなる希望』(1977)ディズニープラスで配信中 © 2021 TM & © Lucasfilm Ltd.All Rights Reserved.

『スター・ウォーズエピソード4 /新たなる希望』(1977)ディズニープラスで配信中

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1970年代 「スター・ウォーズ」公開

いまに続く「スター・ウォーズ」のシリーズ第一作が公開された時の衝撃は大きかった。それまでB級扱いされることの多かったSFを堂々たる大作として製作、視覚的な特殊効果も含め新技術を開発、ほぼ無名だった主演陣も大スターとなる画期的な作品だった。

70年代中盤からはスティーヴン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカスといった新しいタイプの監督が現われ、「スター・ウォーズ」(第一作:1977〜)「未知との遭遇」(1977)などSF作品に人気が集まった。

さらに「ロッキー」(1976)でシルヴェスター・スタローンが登場、自作の脚本で自身が主演する、という新しい映画づくりの手法を見せた。80年代は若手スターの輩出と音楽映画の流行が目立った。

『アウトサイダー』(1983)のマット・ディロン、トム・クルーズら若手はYAスターと呼ばれた

1980年代 新世代スターの台頭

70年代まではやはりビッグネームに人気が集まることが多かったが、この時代から若手の新世代スターの台頭が目立つようになった。これは若者を主人公にしたMTV風の音楽映画の流行とも関連しており、ハリウッドの新しい方向性を示すものでもあった。

フランシス・フォード・コッポラ監督の「アウトサイダー」(1983)「ランブルフィッシュ」(1983)などでマット・ディロン、トム・クルーズ、ラルフ・マッチオ、C・トーマス・ハウエルらが登場、群像青春映画のブームを支えた。

音楽映画では「フラッシュダンス」(1983)「ステイン・アライブ」(1983)「ストリート・オブ・ファイヤー」(1984)「フットルース」(1984)などが人気で、MTV風の映像作りが流行した。

また、この時代で特筆すべきはジャッキー・チャンの登場だろう。アジア・スターとして、初めてベストテン一位に輝いている。80年代末には英国美スターのブームも起こり、ヒュー・グラント、ダニエル・デイ・ルイスが人気だった。

90年代にはいまも人気の男優たちが登場している。トム・クルーズは「トップガン」(1986)ですでに人気を集めていたが、加えてブラッド・ピット(「リバー・ランズ・スルー・イット」(1992))、キアヌ・リーヴス(「スピード」(1994))、ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオ(共に「ギルバート・グレイプ」(1993))らがフレッシュな魅力を見せ人気者になった。

画像: 『ギルバート・グレイプ』(1993)で共演したレオナルド・ディカプリオとジョニー・デップ

『ギルバート・グレイプ』(1993)で共演したレオナルド・ディカプリオとジョニー・デップ

1990年代 いまも人気の男優たちが登場

ブラッド・ピットやキアヌ・リーヴズ、レオナルド・ディカプリオ、ジョニー・デップらが一斉に花開いたのがこの時期だ。一足先にトップスターとなっていたトム・クルーズを含めいずれも現在も主演作を放って人気が持続しており、息の長いスターとなっている。

リヴァー・フェニックスもこの時期にスターになっているが、ドラッグのオーバードーズで亡くなったのはかえすがえすも惜しまれる。

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