2021年3月26日(金)公開
イーサン・ホーク ×「テスラ エジソンが恐れた天才」
作品概要
電力システム、ラジオ、ラジコン、噴水、電気モーター、点火プラグなどの生活に不可欠な発明をしてきたニコラ・テスラ。富と名声を手にできたはずなのに、晩年の奇異な部分ばかりの印象が強いテスラに、いったい何が起こり孤独にさいなまれていたのか。その謎に満ちた半生を描く。
クロアチアから移民としてニューヨークへやって来た二コラ・テスラは、憧れのエジソンが経営する会社に就職。しかし、テスラが研究する交流電流を否定され、失望の果てに会社を辞め、さらに設立した会社も騙されて一文無になる。
実業家と手を結びようやく復活したテスラは、交流システムを完成させて特許を取得し、再び勢いに乗るが、そんなテスラに、エジソンが勝負を挑んでくる。
テスラが偉業を成し遂げる一方で孤独に陥る二面性には共感できるよ
イーサン・ホーク
1970年、アメリカ・テキサス州生まれ。小説家、脚本家、監督としても意欲的に活動。『トレーニング デイ』(2001)、『ビフォア・サンセット』(2004)、『ビフォア・ミッドナイト』(2013)、『6才のボクが、大人になるまで。』(2014)で4度アカデミー賞にノミネート。新作は、『Tonight at Noon 』、『TheGuilty 』、『Zeros and Ones 』等が控えている。
「二コラ・テスラは興味深い人物で、彼に関する映画なら、あと30本だって作れるよ。僕は教育的な伝記映画にはほとほとうんざりしていたんだ。
芸術的な伝記映画を作りたかったので、監督によるテスラの解釈はとても気に入った。授業みたいにならずに映画を観たら“自分にとってのテスラ”を考えることができる。
僕が興味をそそられたのはテスラの孤独感。自分たちのような映画業界でも、しばしば孤独と社会との壁を感じている。テスラが偉業を成し遂げている一方で、孤独に陥る二面性に共感できるよ。
それはクリエイティブな人々がしばしば葛藤する落差みたいなものだと思う。この映画の舞台のニューヨークは、エネルギーやムーブメントを感じられる街だ。
以前の作品でもニューヨークの撮影の楽しさを語ってから、自分のトレーラーに戻ると大量の犬の糞尿がトレーラーの階段に置いてあったんだ! この街が好きな密かな理由は、そういう面も含めてだね(笑)。」
\イーサン・ホーク チェックポイント/
「テスラはエジソンと競争してる気はなかったと思う。でも投資家たちが比較するため競争をしてると錯覚してるんだ。実際、同世代は同じレベルなはずだ」
「エジソンはブランディングやビジネスに長けているタイプ。一方、テスラにはビジョンがあった。2人で1つになっている点がいいよね。2人とも時代の一部にすぎない」
「あんなに光と音に敏感で他人といるのも難しいような人間なら、周囲の人の鼓動でさえ気が散ると思うよ。長い間、よく正気でいられたと本当に思うね」
テスラ エジソンが恐れた天才
アメリカ/2020/1時間43分
配給:ショウゲート
監督:マイケル・アルメレイダ
出演:イーサン・ホーク、カイル・マクラクラン
© Nikola Productions, Inc. 2020
Photo by Franco Origlia/Getty Images