本誌SCREENが誕生して今年で75年を迎えます。これを記念して、東京・京橋の国立映画アーカイブ展示室にて展示会「SCREENを飾ったハリウッド・スターたち」が2021年4月13日(火)〜7月18日(日)まで開催中。ここで展示されている本誌が撮影した歴史的な来日スターたちのスクープ写真の一部を特別にお見せしましょう。(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)
日本ロケ、キャンペーンで大物も次々来日
60年代には当時映画の最大のライバルと言われた海外テレビシリーズがお茶の間で話題となり、驚異的な視聴率を誇っていたが、『ララミー牧場』(1959)のロバート・フラーや、『ローハイド』(1959〜1965)のクリント・イーストウッドたちがキャンペーンでやってくると、大群衆に取り巻かれ、日本各地でファン・サービスを行なった。
この頃、日本にやってきたスターは施設などを訪問し、子供たちとの交流を図る風景も多く見られた。『ベン・ハー』(1959)のチャールトン・ヘストン、チャリティー公演で訪れたフランク・シナトラといった大物が子供たちに話しかける姿はマスコミや大衆の受けも良かった。
相変わらず日本ロケの洋画大作も多かったが最大の話題は1966年に『007は二度死ぬ』でショーン・コネリーがやってきた時。東京や鹿児島などのロケ地にはマスコミの撮影隊が常にコネリーの行く先々で待ち構えていた。
70年には大阪で開催された万国博覧会に世界中からVIPがやってきて、マレーネ・ディートリッヒがショーを行なったりした。新作キャンペーンも頻繁になり、『ポセイドン・アドベンチャー』(1972)のジーン・ハックマン、『スター・ウォーズ』のハリソン・フォード、キャリー・フィッシャーら超大作の主演俳優たちが次々来日。80年代以降は、ますますその傾向が顕著になっていく。
現在コロナ禍で海外からのスター来日が途絶えてしまっているが、この事態が収まれば、また日本びいきのスターたちが戻って来てくれることだろう。