作品概要
『シャーロック・ホームズ』(2009)シリーズや実写版『アラジン』(2019)のヒットメーカー、ガイ・リッチー監督が、ロンドンの犯罪社会を粋なセリフとスタイリッシュな演出、独自のユーモアで描く痛快作。
濃いキャラ揃いの登場人物を『インターステラー』(2014)のマシュー・マコノヒー、『ダンボ』(2019)のコリン・ファレル、『パディントン2』(2017)のヒュー・グラント、『キング・アーサー』(2017)のチャーリー・ハナムらが怪演する。
ロンドンの麻薬王ミッキーが引退を決意したことから、その後釜を狙うアメリカの大富豪やチャイニーズ・マフィア、さらにミッキーの周囲を嗅ぎ回る私立探偵やゴシップ紙編集長、下町のボクシングジムのコーチまで絡んで、騙し騙されまた騙すゲームが繰り広げられていく。
過去作との共通点多数!『ジェントルメン』が"原点回帰"といわれるワケ
英国ロンドンの犯罪世界、カッコつけずにはいられない男たちが騙し合い、それが絡み合って予想外の結末に向かっていく『ジェントルメン』。
そんなドラマも、そこに溢れる英国流の粋とドライなユーモア感覚も、ガイ・リッチーの初監督作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998)、第2作『スナッチ』(2000)と共通。リッチー監督が原点回帰し、久々にスタイリッシュなのに笑える彼独自のクライム・ムービーとして描いたのが本作だ。
初期作同様、英国出身の監督が自虐ギャグのように繰り出す紋切り型の英国アイテムもたまらない。紅茶、パブの酢漬けタマゴ、富裕層の子弟が通う私立学校、貧乏貴族、落ち目のロックミュージシャン、団地の悪ガキたちなどが続々。
ちなみに『ロック~』にはミュージシャンのスティングが出演したが、本作には彼そっくりな実子エリオット・サムナーが貴族の娘役で出演。そんな小ネタも楽しい。
中でも際立つのは、“英国流の粋”が凝縮されたセリフ応酬のカッコよさ。脚本もリッチー監督自身で、セリフは撮影現場でも書き直すこだわりぶり。
登場人物はみな決めゼリフが大好きで、相手を罵倒する言葉の応酬の過激さ、キレの良さは、まさにリッチー監督作品の醍醐味。真面目な顔で冗談を言う英国流のクールさが、画面のスミまで詰まってる!