“ワイスピ”シリーズを一気にメジャー街道に乗せた立役者であるジャスティン・リン監督。再びファミリーたちとの現場に戻った心境についてお話しを伺いました。さらに、ワイスピ4作品をプレイバックし、監督のすごい所やワイスピならではの斬新ポイントなども併せてご紹介します!

“これらの作品を作ることで成長できたと感じ、 別のことに挑戦してみる必要があると感じた”

画像1: “これらの作品を作ることで成長できたと感じ、 別のことに挑戦してみる必要があると感じた”

ジャスティン・リン プロフィール

1971年台湾生まれ。過去のシリーズを4作担当。今後は、最終章となる『Fast&Furious10』(原題)のパート1・パート2を監督することになっている。

── シリーズ前2作は監督を担当されませんでした。自分が力を注いできた作品の舵取りを他の人に託すのはどのような気分ですか?

「このシリーズから離れるというのは私個人の選択だったから、他の人が担当することに恨みなどはまったくなかった。当時はある種の達成感を覚えていたんだ。スタートした頃のシリーズは現在のようなものではなかった。世界からの注目度も今とは違っていた。4作を担当し、みんなでシリーズを進化させ、特別なものを築き上げることができた。

しかし同時に、これらの作品を作ることで成長できたと感じ、別のことに挑戦してみる必要があると感じたんだ。そういうことがあったから、戻って来られるなんてうれしいよ! それに、とても幸運だと思ってる。だって作品を離れてからも、ヴィンから電話がかかってきて、2時間もドムについて話し合うなんてことがあったからね。

彼と話せたのは素晴らしかったけど、「この作品からは離れたんだ! もうやらない!」とずっと思っていた。ヴィンは私より10歩も先を進んでいて、その様子を少し見ていたから、作品から離れていたとはいえ、いい意味で完全に離れてしまったとは感じたことがなかった。

そして新作のいいアイデアが思い浮かんだとき、ヴィンやスタジオに連絡をしたんだ。空白期間があったなんてまったく感じなかったね。すんなりと戻って、みんなと旅を続けることができた」

── 役者たちとの再会はどうでしたか?

「映画監督として、特にハリウッドで働いてきてよく思うのは、監督はともすればとても孤独になりうるということだ。しかしプロジェクトからプロジェクトへと渡り歩くなかで、周りと経験を分かち合いながら(私の場合は15年ものあいだ)一緒に成長を続けることができている。現場の外でも家族として関わりを持ち、子供たちも共に育っている。それはすごく嬉しいことだ。

2時間を割いて映画を観てくれる人たちにも心から感謝しているけど、私たちにとってはその2時間を作るための2年間の旅だった。そういう部分も映画から感じ取れるのではないかと思う。ただ役者たちがやってきて友人を演じるのとは違う。みんな本当に友人であり、家族なんだ」

画像2: “これらの作品を作ることで成長できたと感じ、 別のことに挑戦してみる必要があると感じた”

── どういう意図でハンを再登場させようと考えたのですか?

「一度シリーズから去るとき、私は言ったんだ。「私はハンと共にやってきて、ハンと共に去る」。そしてそれは、とても明確な旅の終着点だった。ハンを復帰させる計画はなかった。ハンの最後は、詩的な終わりだったと言える──「#JusticeForHan(ハンに正義を)」の運動がなかったら、彼を復帰させようとは考えなかっただろう。

「#JusticeForHan」の運動は素晴らしいものだった。彼の終わりについては私もファンと同じくらい複雑な気持ちだったからね。だからその運動を受けて間違いを正すような形で、愛すべきキャラクターのひとりを再登場させることになった。私にとっては再びサン・カンと仕事をできる機会でもあり、その点もありがたかった。

自分は死んだキャラクターを生き返らせようと考えるようなタイプではないが、あの終わりは不要な逸脱だったと思うし、シリーズを続けていくなら何らかの対処をしなければならなかった。だから、ハンの復帰はひとえにファンのおかげだよ」

── 映画館でファンに観てもらうのが楽しみなシーンはありますか?

「ひとつだけ選べと言われたら悩んでしまうね! 今回の作品で良いと思っているのは、各キャラクターに合わせたトーンの違うシーンが多くあることだ。長い予告編が2つ世界に公開されているが、映画監督なら、内容を見せたいという気持ちはわかりつつも、内容を出し尽くしてしまうのではないかと心配になるのが普通だと思う。

だけど今回の映画は、「どうぞ予告編を楽しんでください。本編にはまだまだたくさんのものが詰まっているから」と言える。だから観てもらうのが楽しみだよ。長くて素晴らしい予告編を2本作っても本編を見た観客にはそれ以上のものを提供できる、そんな映画を作るのはどんな監督にとっても究極の挑戦だし、この作品を観てもらうのが待ちきれない自分もいる」

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