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“毎日起きて仕事に行くことが大好きなので、続けるチャンスを得られることを光栄に思っています”
アニャ・テイラー=ジョイ プロフィール
1996年4月16日、米・フロリダ州生まれ。『ウィッチ』(2015)『スプリット』(2016)『マローボーン家の掟』(2017)などホラー映画に立て続けに出演し、若き“絶叫クイーン”に。Netflixドラマ『クイーンズ・ギャンビット』(2020)で一躍ブレーク。モデル出身でもあり、ファッションアイコンとしても注目の的。最新作『ラストナイト・イン・ソーホー』が12月公開。
今ハリウッドの話題作には彼女の名前が欠かせない。9月に開催された第73回エミー賞で最多タイとなる11冠を達成したNetflixドラマ『クイーンズ・ギャンビット』では主人公の天才チェス少女を熱演。
先日製作が発表された、日本の人気ゲーム『スーパーマリオ』のアニメ映画版(2022年公開予定)ではピーチ姫役に抜擢。さらに『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚となる『フュリオサ』(2024年公開予定)で主人公を演じることも決まっている。エンタメ界は今まさに“ジョイ(喜び)”フィーバーに沸いている。
彼女の目下の最新作『ラストナイト・イン・ソーホー』もいま世界中で話題を呼んでいる一本だ。先日の第78回ベネチア国際映画祭でワールドプレミアが開催され、上映後には5分間のスタンディングオベーションを巻き起こした。海外メディアはこぞって「今年最高の音楽映画」「エドガー・ライト監督らしさを残しながらも全く新しい」などと絶賛を寄せている。
アニャ・テイラー=ジョイが本作で演じるのは、60年代のロンドンのソーホーで歌手を夢見る女性サンディ。彼女と“シンクロ”する現代の女性を『オールド』(2021)の新進女優トーマシン・マッケンジーが演じ、最旬女優同士の顔合わせが実現した。インタビューではこの共演の感想や、スターの座に就いた今の心境を語ってもらった。
── 『ラストナイト・イン・ソーホー』でも『クイーンズ・ギャンビット』でも夢や自分の居場所を追い求める人物を演じていますが、あなた自身はハリウッドでの自分の居場所をどのようにして見つけたのでしょうか?
居場所を見つける苦労というのは、学校に通い始める時や新しい職場に就く時など、誰もが経験する普遍的なことだと思います。
私も最初は、映画業界に入りたいという気持ちは自覚していながらも、知り合いもいなかったので、この映画で私が演じたサンディの“この世界の一部になりたい”という気持ちには特に共感できました。(成功した人についての)何かの言葉や文章を読んでも、“ちょうど良いタイミングで、ちょうど良いところにいた”と書いてあるばかりで、若かった私は“そんなこと、私にはどうにもできない!”と思っていました(笑)。
でも今は“ちょうど良い場所にちょうど良いタイミングでいる”ことができたので、この物語には共感できましたね。
── 外向的で自信家のサンディを演じた気分はいかがでしたか?
これまで孤立した人物をたくさん演じてきましたが、サンディはとても大胆でセクシーで、気まぐれ娘で、自分にとても自信があります。初めて脚本を読んだ時は“一体どうやったらこの役をうまく演じられるのだろう?”と思いました。
初めて私がサンディになった時、200人のエキストラの前に歩いていって、まるで自分がその部屋を支配しているかのように振る舞わなければなりませんでした。私は“うわあ、ええと、とにかくやらなきゃ”って感じでした(笑)。でも毎日少しずつ彼女になるのが楽になってきて、楽しめるようにもなりました。
サンディは野心に燃える歌手・女優・ダンサーで、どんな状況にでも思い切りよく飛び込むから、私は彼女を“豪胆サンディ”と呼んでいました。私もそういう点で、もうちょっと彼女みたいならよかったです。
── この映画は60年代の素晴らしい音楽に敬意を表していますね。
私が初めて本当に好きになった音楽は60年代の音楽だったので、今回は本当に楽しかったです。私は役づくりでプレイリストを作ることが多いのですが、サンディの場合は、私が16歳のときに聴いていた音楽ばかりでした。音楽にあわせて演技をするのはとても素晴らしいことです。
エドガー(監督)のどの脚本を読んでも音楽の織り交ぜ方がとても美しくて、映画をよくイメージすることができるし、そのおかげで皆の映画に対するイメージを一つにすることができます。
── あなたが歌うシーンには驚きましたが、これまで歌ったことはあるのですか?
いつもシャワー中に歌ってはいましたが、ステージでマット・スミスを直視しながら歌ったことはありませんでしたね(笑)。歌うことにはかなり恐怖を感じましたが、エドガーがずっと応援してくれて背中を押してくれました。歌うのはとても楽しかったです。
── トーマシン・マッケンジーとの共演について話していただけますか。お二人は映画の中で面白いパラレルの関係にありますね。
私たちの間に姉妹のような絆がすぐに生まれたのは、本当に嬉しい偶然でした。新たな仕事が始まる時はいつも、相性の良い人と一緒になれるように願うものですが、今回はすぐに仲良くなれたおかげで、あらゆることがずっと楽になりましたね。
この映画では彼女が動かないと、私も動けません。そのおかげで、お互いにとても優しい気持ちで接することができたのだと思います。彼女は本当に素晴らしくて、どんなに褒めても褒め足りません。
──『クイーンズ・ギャンビット』でスターになったことで、あなたから見た世界は変わりましたか?
私はこれまでの作品に携われたことを、とても幸運だと思っています。強いて言うなら、仕事に対する愛着が日々強くなっているように感じます。それが大事なことです。成功は素晴らしいものです。
でも結局のところ、私たちが毎日することといえば、起きて仕事に行くこと。これが私は大好きなので、続けるチャンスを得られること、そして才能豊かで素晴らしい方々と一緒に仕事ができることを、とても光栄に思っています。
ラストナイト・イン・ソーホー
2021年12月21日公開
監督:エドガー・ライト
出演:アニャ・テイラー=ジョイ、トーマシン・マッケンジー、
マット・スミス、テレンス・スタンプ
配給:パルコ、ユニバーサル映画
いま最も新作を待たれる監督のひとり、『ベイビー・ドライバー』(2017)のエドガー・ライト監督4年ぶりの新作。ロンドンの同じ場所で、異なる時代を生きる二人の女性が、ある恐ろしい出来事によって、それぞれに抱く“夢”と“恐怖”をシンクロさせていく。トーマシン・マッケンジーとアニャ・テイラー=ジョイという2大注目若手女優が共演したタイムリープ・サイコ・ホラー。
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