『愛国女子─紅武士道』あらすじ
ある日、街で芸能事務所にスカウトされた大学生の大和静(千眼美子)は案内された事務所で武器を手にした4人の男たちに襲われる。しかし、幼い頃から大和一心館10代目道場主の父に鍛えられ、剣道4段、全国大会優勝の腕前を持つ彼女は瞬く間に彼らを倒してしまう。身構える静の前に現れた芸能事務所社長の高山悟志(田中宏明)は、自身が国を守るための活動をしていることを告げる。高山との出会いを機に、静は日本滅亡の危機をめぐる激しい戦いに身を投じていく──。
── キービジュアルに映る富士山、桜も印象的です。インタビューは4月号掲載なので桜にまつわるエピソードなどがあれば伺いたいです。
枯れて散るのではなく、綺麗なまま一気にストーンと落ちていく。その潔さみたいなものは、大和の心に通じるものがあるので、テーマにぴったりのビジュアルだと思います。人間は肉体的にも思考的にも衰えて朽ちていくけれど、ボロボロになる前に美しく終える、うらやましいです。
── 映画では討論番組や街頭演説、面接のシーンなどで自分の意見をしっかり発言するシーンが多く登場します。赤羽監督が今、世の中に強く訴えたいこと、これだけは言いたいことがあれば教えてください。
いっぱいあります(笑)。映画の中で国広富之さんと市原綾真くん演じる親子が家の中で言い争うシーンがあります。ここで市原くん演じる息子が政治家の父に向かって“このままでいいってほんとうに思っているの?人の顔色を伺って本音を言えなくなるのが政治家なら、僕はなりたくない”と言うのですが、このセリフがすごく好きです。私は政治家ではないけれど、本音を言えないような仕事はしたくないと思っています。映画の中では、精神的なセリフをたくさん言うのは、役柄上は田中宏明くん演じる高山なのですが、私自身の心に強く響いたのは、親子が言い争うというどこの家庭にもあるごく普通のシーンでした。いろいろなテーマが込められた作品ですが、そういった何気ないシーンからも気づきなどがあるのではないかと思っています。
大和一心館の10代目道場主、静の父役
西岡德馬 インタビュー
── 台本を読んだときのストーリーの印象をお聞かせください。
今の日本人が最重要視しなければならないテーマの一つだと思い、良くぞ私を選んでくれた!と思いました。
── 赤羽監督からは大和一心館の10代目道場主であり、主人公・大和静の父を演じるにあたり(終盤に登場する道場の外での人助けシーンも素敵でした)どのようなディレクションがあったのでしょうか?
赤羽監督とは衣装合わせの時、かなり話せたので現場においては、動きだけでお任せでやらせて頂きました。
── 娘・静役の千眼美子さんとの共演シーンについて。撮影で印象に残っていることはありますか?
千眼さんは、いつも明るく周りに良く気を配り、とても演り易い方だと思いました。なんと言っても可愛いし(笑)
── 本作のテーマである武士道精神(大和魂)について。西岡さんがイメージする大和魂とは?
大和魂は、葉隠(江戸時代中期に書かれた書物)に代表される様に「武士道と云うは死ぬ事と見つけたり。」つまり武士道精神を持った人間は、大義のために死ぬ。然しながら、現代に於いての大義とは何を指すのか、私にとっての大義は何か……失いたくない日本の心です。今、私は八ヶ月海外で仕事をしておりますが、外から見るとつくづく考えるのが、日本と、日本人の素晴らしさです。その事を殆どの日本人が気がついていない、もう一度見直して欲しいですね、日本と日本人の事を。
『愛国女子─紅武士道』
公開中
製作総指揮・原作:大川隆法
キャスト:千眼美子 田中宏明 希島凛 なりたりな 市原綾真 大島さと子 中条きよし 国広富之 西岡德馬
監督:赤羽博
音楽:水澤有一
脚本:大川咲也加
配給:日活
配給協力:東京テアトル