イントロダクション
問答無用で容赦無く相手を殴り続け、何者かと問われると「俺は“復讐”だ」と答える。こんなバットマン、見たことない── 予告編からそんな衝撃を与えてくれる本作のバットマンは、活動を始めて2年目。まだバットマンとは何なのかの答を探し、今も両親を殺された怒りと復讐心に苛まれて苦悩する、若きバットマンなのだ。しかも本作は『ジョーカー』(2019)同様、DCユニバースには属さない。これまでのバットマンとは別の、新たなバットマンの物語が描かれる。
この斬新なバットマン像に挑む監督は『猿の惑星:新世紀(ライジング)』(2014)『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』(2017)で、誰もが知る名作SF映画を、心を揺さぶる感動的叙事詩として甦らせたマット・リーヴス。彼は、初期の原作コミックがバットマンが事件を捜査する探偵ものだったという原点に立ち戻り、暗黒街を描く1940~50年代の犯罪映画フィルム・ノワールを意識して、悪徳都市ゴッサム・シティの闇の中、サイコな殺人鬼を追う探偵バットマンを描いていく。
バットマン役は『TENET テネット』(2020)の主人公の相棒ニール役も魅力的なロバート・パティンソン。リドラー役は『プリズナーズ』(2013)の容疑者役も強烈な個性派ポール・ダノ。さらにバットマンを翻弄するキャットウーマン役に『ファンタスティック・ビースト』シリーズのゾーイ・クラヴィッツ、ペンギン役に『ジェントルメン』(2019)のコリン・ファレル、ゴードン刑事役に『007/ノータイム・トゥ・ダイ』(2021)のジェフリー・ライトと演技派が結集。新たなバットマンの物語が、今、始まる!
ストーリー
バットマンの活動も虚しく、未だ犯罪が減る気配のない悪徳都市ゴッサム・シティ。この街で政財界の権力者ばかりを標的にした連続殺人事件が発生。事件を追うバットマンに、犯人を名乗る謎の男リドラーから挑戦状が届く。「ボクが“嘘”にまみれた世界の真実を暴いてあげる。お前もその一部だよ」。この言葉は何を意味しているのか。リドラーの真の目的は何なのか。バットマンは捜査の中で、重すぎる“嘘”に直面することになる。
登場人物
復讐を誓った青年
ブルース・ウェイン/バットマン(ロバート・パティンソン)
孤独を好む大富豪ウェイン家の御曹司。密かに厳しい鍛錬を積んで強靭な精神と格闘能力を培い、マスクで正体を隠してバットマンとなり、2年前から街の犯罪者撲滅のため活動中。しかし犯罪は減らず、疲弊している。
共に戦う刑事
ジェームズ・ゴードン(ジェフリー・ライト)
ゴッサム・シティ警察のベテラン刑事。悪徳警官ばかりの腐敗した警察組織の中で、強い正義感を持ち続ける稀有な存在で、そのため周囲から孤立している。バットマンとは互いに信頼し合い、事件捜査でも協力し合う。
弱き人々を救う怪盗
セリーナ・カイル/キャットウーマン(ゾーイ・クラヴィッツ)
別名キャットウーマン。地下社会で暗躍する、窃盗とバイクの名手で、優れた敏捷性と格闘能力を持つ。一般市民より、社会からあぶれた人々に共感を抱く。バットマンに接近して共闘を持ちかけるが、真の目的は不明。
“謎”を仕掛ける知能犯
エドワード・ナシュトン/リドラー(ポール・ダノ)
ゴッサム・シティの権力者を次々に殺害し、犯行現場に常に“なぞなぞ”を残していくシリアルキラー。「ゴッサムに隠された“嘘”を暴き出す」と宣言、バットマンに「次の標的はお前だ」という挑戦状を送りつけてくる。
野望を秘めた経営者
オズワルド・コブルポット/ペンギン(コリン・ファレル)
ゴッサム・シティの高級ナイトライフ・スポット、アイスバーグ・ラウンジの経営者。別名オズ。表向きは、犯罪社会の権力者カーマイン・ファルコーネの部下として働いているが、密かにある野望を抱いている。
ブルースの最も身近な支援者
アルフレッド・ペニーワース(アンディ・サーキス)
ブルースの後見人で、彼を幼い頃から見守ってきた父親代わり的な存在。バットマンの正体を知る唯一の人物。
ゴッサム・シティ裏社会の王
カーマイン・ファルコーネ(ジョン・タトゥーロ)
ゴッサム・シティ最大の犯罪組織のリーダー。表舞台には姿を見せず、背後から街の政治家たちを操る。
闇とつながる汚職検事
ギル・コルソン(ピーター・サースガード)
犯罪者たちを起訴するのが役目の法執行官だが、犯罪を見逃し、その代わりに犯罪者たちから報酬を得ている。
犯罪一掃を目指す政治家
ベラ・リアル(ジェイミー・ローソン)
政治家。腐敗政治を一掃するため、市長選挙に立候補した最年少候補。草の根運動で支援を呼びかけていく。
THE BATMAN-ザ・バットマン-
2022年3月11日(金)公開
アメリカ/2022/2時間55分/ワーナー・ブラザース映画
監督:マット・リーヴス
出演:ロバート・パティンソン、コリン・ファレル、ポール・ダノ、ゾーイ・クラヴィッツ、ジョン・タトゥーロ、アンディ・サーキス、ジェフリー・ライトほか
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