『ミッドサマー』(2019)『ムーンライト』(2016)など、幅広いジャンルで注目作を続出するA24。昨今は、賞レースにノミネートされる作品などでもこの映画会社の名前を見かけることが増えてきた。今回は、最新作『カモン カモン』をはじめ、A24の魅力を探ってみました!(文・大森さわこ/デジタル編集・スクリーン編集部)
意外性アリな配役のA24作品
ラドクリフが嬉々として死体に!?
『スイス・アーミー・マン』(2016)のダニエル・ラドクリフ
『スイス・アーミー・マン』『ハリー・ポッター』シリーズの誠実なキャラから一転。無人島に流れつく謎の死体役を怪演。不謹慎に思える下ネタも連発して、衝撃のイメチェンぶり。その大胆でユーモラスな演技に驚きつつも見入ってしまう。
コメディのイメージを一気に払拭
『アンカット・ダイヤモンド』(2019)のアダム・サンドラー
コメディ映画でとぼけた演技を見せていたアダム・サンドラーがNYの危険な宝石商に大変身。いつもギャンブルに大金を注ぎ、若い愛人にもハマり、妻が「至上最高にムカつく男」と呼ぶクズ野郎。リアルな演技が圧巻。
クセのないホアキンの演技に唸る
『カモン カモン』のホアキン・フェニックス
オスカー受賞作『ジョーカー』(2019)のエキセントリックな演技とは180度違う普通のおじさん役。シャツにスニーカー姿で自然体の演技を見せ、芸幅をさらに広げた。終始、温かい笑顔を浮かべ、個性的な甥の面倒をみる。
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A24×マイク・ミルズ監督作『 20センチュリー・ウーマン』
マイク・ミルズ監督の前作もA24作品。自身の母親がモデルで、舞台は70年代。思春期の息子の教育に悩む母は、若い女性たちに協力を求める。自由な家族関係の描写が斬新で、ミルズはアカデミー脚本賞候補となる。アネット・ベニング、エル・ファニング等も好演。