ぶっとびの大ヒットを記録! こんなハリウッドコメディは久しぶりかも?
コロナ禍は明けてないけど、なんとなく明けた感が出てきた映画界。欧米では劇場が長いお休みをし、ハリウッドのプロダクションも延期に次ぐ延期を重ね、つら〜い時間を過ごしていたこの2年ちょい。その反動もあってか、ハリウッド再稼働に際してはビッグスクリーンで観るべき作品が続々公開されている。
そんななかで、ひときわ異彩を放ち、ぶっとびの大ヒットを記録したのが『ザ・ロストシティ』。なんせ6800万ドルの制作費に対して、世界興収は1億8千万ドル超え。サンドラ・ブロック、チャニング・テイタム、ブラッド・ピット、そしてダニエル・ラドクリフという錚々たるA級スターが名を連ねたアドベンチャー超大作!……に見えるけど、むしろ『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(2017)に近いコメディということにびっくり。
近年、すっかり大物感出まくりのサンドラ姐さんだけど、旧来のファンから求められているコメディエンヌ的魅力を最大限に引き出したことが本作最大の勝因。そして、チャニング、ダニエル、ブラピはそれぞれに持っているパブリックイメージをぶっ壊して皮肉る役で共演し、「宝探しアドベンチャー大作のパロディ」というB級感を打破。A級スターが大まじめに取り組んだコメディ大作に仕上がっている。
5分に一度くらいの割合で爆笑シーンが盛り込まれ(それも超分かりやすく、ビジュアル的&セリフで笑かす)、シモネタも上等。思い切り笑いつつ、意外と奥深い「喪失と再生」というテーマ設定に感動し、ラストは気分すっきり。こういうハリウッドのコメディって、コロナ禍前は年に2〜3作品はあったはずなのに、そういえば久しぶり! という気分にさせてくれるはずだ。
プロデューサー兼主人公ロレッタを演じるサンドラ・ブロックが解説!
チェック1
「この映画では、大自然にいるべきでない人がジャングルに放り込まれます。ヒーローになろうとしているカバーモデルが引きこもりの作家を助け出そうとするのです。どちらもジャングルにいるべきではないのでしょう」
チェック2
ブラッド・ピットが出演した映画『ブレット・トレイン』(9月1日公開)にサンドラがカメオ出演しており、ピットはそのお返しをした。「ジャック・トレーナーは流れるようなロングヘアがいいと思い、それを素晴らしいアイデアだと思ってくれたの」
チェック3
「本の宣伝にあたって、チャニング・テイタム演じるカバーモデルを起用しました。ロレッタは話がうまくないので、楽しくセクシーな会にするためにカバーモデルのダッシュが起用されるのです」
チェック4
「フェアファックスは、一見したところ、愛想が良く、魅惑的で、普通っぽくて、金持ちで、ハンサムで威嚇してこないのに……。でも段々と化けの皮がはがれていきます。私にとってはこの映画で一番わくわくするキャラクターです」
チェック5
「スパンコールのビビッドピンクのつなぎは、すぐにどこにいるか分かるのでビジュアル・エフェクトの費用は節約しました(笑)。大変だったのは暑かったという点! この先、一生、このスーツの話をすると思います」
ザ・ロストシティ
公開中
アメリカ/2022/1時間52分/東和ピクチャーズ
監督:アダム・ニー&アーロン・ニー
出演:サンドラ・ブロック、チャニング・テイタム、ダニエル・ラドクリフ、ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ、ブラッド・ピット
©2022 Paramount Pictures. All rights reserved.