気品と愛嬌アリなのに完全なる悪役
アビゲイル・フェアファックス役 ダニエル・ラドクリフ
【コラム】ダニエルの冒険遍歴
ダニエルといえば、どうやっても外せない“ハリポタ”シリーズ。あれを少年の冒険譚とするなら、そもそも彼はアドベンチャー俳優だったってこと。いや、あまりにもキャラが立ち過ぎちゃってるかしら……。それよりは“ハリポタ”後のほうが冒険してる? 『ホーンズ 容疑者と告白の角』(2013)とか『スイス・アーミー・マン』(2016)とか『ガンズ・アキンボ』(2019)とか、最近だと『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』(2020)とか。このなかで冒険映画と呼べそうなのは『スイス〜』くらいだけど、役で冒険しまくるダニエル。本作ではヴィランをめちゃ楽しんでます。
── アビゲイルという名前が変わってますよね?
アビゲイルという名前は……お分かりの通り面白いポイントなのですが、この映画で彼はこの名前があまり気に入っていないんです。明らかに女の子の名前だと教わっているんですね。そのため性別に関係ない名前だと言い張ってるんです。
撮影中ホテルに泊まる時、いつも演じている役の名前でチェックインするのですが、みんな“アビゲイルさんですか?”と驚くことになる。ウェルカムメッセージを受け取った時、ホテルからこんな手紙をもらいました。“ミセス・フェアファックス、滞在を楽しんでください”って。面白かったので、写真に撮って監督にメールしました。
── この作品の魅力はどこだと思いますか?
サンドラ・ブロックとチャニング・テイタムが主役というところです。特にこの2人は僕が憧れていた2人です。だからこの2人の名前を見たらすぐに皆「絶対面白い映画だ!」と思うでしょう。台本も素晴らしかったです。その一例を挙げるなら、最近は見なくなったタイプのドタバタアドベンチャー映画だという点です。こういう生きるか死ぬかという状況にいるのに、誰もが気が利いて面白いんです。ある種、映画の世界を高めています。
── サンドラ・ブロックと共演してみていかがでした?
サンディ……ちなみにまだ自分がサンドラ・ブロックのことをサンディと呼べる立場にいるなんて信じられないのですが。彼女は私たちにサンディと呼んでほしがるんです。僕は慣れるまでに数週間かかりました。親しみやすい素敵な人です。
サンドラ・ブロック コメント
「観客が予想もしていないダニエルの一面を見せられることが楽しみです。もしこの映画で準備不足な役者がいたとしたら、私かチャニングで、準備しすぎな人を挙げるなら、それはダニエルでした」
── 本作は劇場で観るべき?
この手の映画は映画館で観るべきだと思います。そのほうが映画体験を楽しめるし、率直に言って、大きいスクリーンで見た方が単純に素晴らしいからです。
ザ・ロストシティ
公開中
アメリカ/2022/1時間52分/東和ピクチャーズ
監督:アダム・ニー&アーロン・ニー
出演:サンドラ・ブロック、チャニング・テイタム、ダニエル・ラドクリフ、ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ、ブラッド・ピット
©2022 Paramount Pictures. All rights reserved.