この夏は2つのハリウッド気鋭の映画製作集団が生み出した新たな恐怖映画に注目! ブラムハウス・プロダクションのスーパーナチュラル・ホラー『ブラック・フォン』とA24のエクストリームライド・ホラー『Xエックス』は、共に1970年代後半のアメリカ地方都市を舞台に異常な連続殺人鬼に襲われる恐怖を描くエッジの利いた必見作。現地でも高い評価を得ている両作のショック度を見比べてみては?(文・松坂克己/デジタル編集・スクリーン編集部)

2022年7月1日(金)公開
ブラック・フォン

ブラムハウス・プロダクション

連続殺人鬼に監禁された少年に届く「死者たちからの電話」!

画像: 連続殺人鬼に監禁された少年に届く「死者たちからの電話」!

殺人鬼に拉致された少年は、監禁された地下室で断線しているはずの黒電話のベルが鳴るのを耳にする……スティーヴン・キングの息子ジョー・ヒルの同名短編を『ドクター・ストレンジ』(2016)のスコット・デリクソンが監督したサイコ・スリラー。

主演はTV出身の新鋭メイソン・テムズで、その妹役で『アントマン&ワスプ』(2018)のマデリーン・マッグローが共演、殺人鬼役を『テスラ エジソンが恐れた天才』(2020)のイーサン・ホークが演じている。

コロラド州デンバー北部の小さな町では子どもの失踪事件が頻発していた。内気だが頭のいい十三歳の少年フィニー(テムズ)もまた、グラバーと呼ばれる誘拐犯に拉致され防音の地下室に監禁される。その部屋の壁にはなぜか断線した黒電話があったが、その電話が突然鳴り出す。それはグラバーに殺された被害者たちからのメッセージだった。そしてフィニーの妹グウェン(マッグロー)は予知夢という特殊能力で兄を救おうとする……

【怖ポイント1】被害者のメイクはCGではなく実際のもの

画像: 殺人鬼のマスクのデザインはトム・サヴィーニ担当

殺人鬼のマスクのデザインはトム・サヴィーニ担当

グラバーの被害者の少年たちはそれぞれ違った方法で殺されているので、そのメイクも殺され方を反映している。当初はCGでメイクする予定だったが、監督の意向で実際のメイクをすることになった。

またグラバーの被るマスクのデザインは『13日の金曜日』(1980)『死霊のえじき』(1985)などの特殊メイクの第一人者トム・サヴィーニだ。

【怖ポイント2】連続殺人犯が横行した1970年代

画像: 1970年代は現実にも殺人鬼の犠牲者が頻発

1970年代は現実にも殺人鬼の犠牲者が頻発

映画の舞台は1978年だが、この頃アメリカでは殺人鬼が次々と世を騒がせていた。マンソン・ファミリー、ヒルサイドの絞殺魔、ゾディアック事件、連続殺人鬼のデヴィッド・バーコウィッツ、ジョン・ウェイン・ゲイシー、テッド・バンディらがニュースを独占していたのだ。アメリカ中が都市伝説のような悪夢に覆われていた。

【怖ポイント3】ホーク×デリクソン×ブラム再び

画像: 主演・監督コンビによる2度目のブラムハウス作

主演・監督コンビによる2度目のブラムハウス作

イーサン・ホークが出演しデリクソンが監督、製作がジェイソン・ブラム率いるブラムハウス・プロダクションズと言われて思い出すのは2012年の『フッテージ』。これはブラムハウスでも最も成功したホラーの一本だった。

今回はスーパーナチュラルに加え、サイコパス、サイキックといった様々な要素が新たに盛り込まれている。

ブラック・フォン
2022年7月1日(金)公開

アメリカ/2021/1時間47分/東宝東和
監督:スコット・デリクソン
出演:メイソン・テムズ、マデリーン・マッグロー、ジェレミー・デイヴィス、ジェームズ・ランソン、イーサン・ホーク
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