【2022年夏公開】魅惑のアジア映画9選 恋愛／名優／ホラー ジャンル別まとめ

名優堪能編

韓国トップ俳優ファン・ジョンミンが誘拐された!?
『人質 韓国トップスター誘拐事件』<2022年9月9日（金）公開>

主演は『ベイビー・ブローカー』のソン・ガンホなどと並ぶ韓国のトップスター、ファン・ジョンミン。『哭声／コクソン』（2016）の怪しい祈祷師、『ただ悪より救いたまえ』（2020）の父性に目覚める殺し屋など、作品ごとにまったく違う顔を見せてきた彼が、今作ではなんとファン・ジョンミン自身を演じている。

記者会見からの帰宅途中、ファン・ジョンミンは突然拉致され、意識を取り戻した彼は自分が大金目的で誘拐されたことを知る。彼を誘拐したのは、ソウルを震撼させている猟期殺人事件を起こした凶悪集団。ジョンミンは唯一の武器である演技力を武器に、犯人との“闘い”を試みる── と、設定もギミックたっぷりだ。犯人を騙して逃げなければ死あるのみ。ジョンミンと犯人たちとのやりとりは、終始緊張の糸が張り詰めている。「イカゲーム」のイ・ユミ、「梨泰院クラス」のリュ・ギュンスなど、注目の若手俳優たちとの共演も韓国エンタメファンには見逃せないポイントだ。

＼ここに注目！／
命綱は演技力！犯人も観客も騙す！

演技力を駆使して理屈の通らない犯人集団から脱出を試みるファン・ジョンミン。急病になったり、哀れな命乞いをしたり、これは演技なのか本心なのか── ジョンミンと対峙する犯人同様、いつの間にか観ている者までジョンミンの演技に翻弄されてしまう。表情から佇まいまで、彼の一挙一動に振り回される感覚が楽しめるはずだ。

ソル・ギョング × イ・ソンギュンが紡ぐ男たちの光と影
『キングメーカー 大統領を作った男』<2022年8月12日（金）公開>

『KCIA 南山の部長たち』（2020）や『工作 黒金星と呼ばれた男』（2018）など、ポリティカル・サスペンスが得意な韓国映画界から、苛烈な韓国大統領選の裏側を描いた骨太な作品が登場した。主人公は長期独裁政権打倒を目指す政治家キム・ウンボムと、その理想に共鳴して影のブレーンとなるソ・チャンデ。ベースとなったのは、第15代大統領キム・デジュンと、その選挙参謀を務めたオム・チャンノクの実話。奇想天外な選挙戦など、荒唐無稽な展開が実話だと頭に入れておけば、よりおもしろく観られるはず。

民衆の希望となるカリスマ政治家ウンボムには、『名もなき野良犬の輪舞』（2017）などの名優ソル・ギョング。裏の仕事を引き受けるソ・チャンデを『パラサイト 半地下の家族』（2019）のイ・ソンギュンが演じている。誰よりもお互いを必要としながら、大きな溝が生まれていくウンボムとチャンデ。信頼し合っているのにどこかヒリヒリする緊張感のある関係性は、演技派俳優ふたりの熱演の賜だ。

＼ここに注目！／
名優だからこそ成せる胸アツな演説

清廉で剛直な人柄の政治家を演じたソル・ギョング。5時間以上に渡ったという演説文すべてを暗記してくるなどの万全の役作りで、政治家として光を増していく人物に説得力を与えていた。また序盤にソ・チャンデ（ソンギュン）がウンボムの選挙陣営でスタッフたちに熱弁を振るうシーンも見応えあり。彼の美声も相まって胸アツになる場面だ。