“失望させたくないというプレッシャーはありました”
―今回バズ監督やウォン・カーウァイさんと一緒に働いていかがでしたか。
「実はバズ監督とは以前に仕事をご一緒した経験があったので、仕事のやり方は少し分かっていたんです。なので監督のやり方には短い時間で合わせることができました。ウォン・カーウァイさんは撮影現場には来ていなかったのですが、撮影した映像の確認をしていただきました。いつも自分の想像以上のコメントをいただけたのも印象的でした。失望させたくないというプレッシャーはありましたね。でも、そのプレッシャーのお陰で撮影に精一杯取り組めました」
―モデルとして活躍されていたアイスさんですが、モデルと俳優と表現方法の違いはどんなところに違いや面白さを感じていますか?
「モデルは身体的表現のみで、例えば写真撮影やファッションショーでモデルウォークをするのみですが、役者に関しては動きがあり、物語を伝える役割もあります。モデルの経験は服装面で活かせたと思います。キャラクターに合う服装をしているのか、人となりはどう表現できるのか考えました。身体的表現としては体の動かし方ですね。たとえば、ガン患者であれば歩き方や仕草はどうなるのか考えたりしました。モデルと俳優は違いますが、そうしたつながりはありました」
―この映画を通してタイ各地を観るという楽しみ方もありますよね。日本の観客にはどういう所を見てほしいですか。
「本当にバズ監督の『タイへのラブレター』という言葉通りの作品なんです。たとえばウードの家なんですが、僕の家の近所でした。子供のころもよく通った思い出の場所で、カメラを通してとても美しく映しだされているんです」
―お好きなロードムービーはありますか?
「ロードムービーはもともと好きで、『ミス・リトル・サンシャイン』『アメリカン・ハニー』『あの頃ペニー・レインと』、それに『ドライブ・マイ・カー』も大好きですよ」
PROFILE
1991年1月21日、タイ生まれ。韓国のランウェイを最初に歩いた唯一のタイ人モデルでもある。韓国から帰国後、俳優業に本格挑戦。出演作に「DIARY OF TOOTSIES1・2」「One Year」(いずれ日本で視聴可能)、映画『Friend Zone(日本未公開)』など。
『プアン/友だちと呼ばせて』
8月5日(金)新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、渋谷シネクイントほか全国順次公開
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配給:ギャガ