『ジュラシック・ワールド』最新作にして、『ジュラシック・パーク』から続く「ジュラシック」シリーズの完結編となる『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』が公開中。SCREEN ONLINEでは、本作でシリーズ初参加となったディワンダ・ワイズにインタビューを実施。ケイラという魅力的なキャラクターの役作りや「ジュラシック」レジェンドとの共演まで話を聞いた(取材・文/奥村百恵、編集/SCREEN編集部)

“いまもみんなでグループチャットを続けているんですよ”

ーーオーウェン役のクリス・プラットさん、クレア役のブライス・ダラス・ハワードさん、サトラー博士役のローラ・ダーンさん。マルコム博士役のジェフ・ゴールドブラムさん、グラント博士役のサム・ニールさんなど豪華な方々と共演されていますが、ご一緒してみていかがでしたか?

「サム・ニールとは「インベージョン」というドラマでご一緒したばかりだったので、何度も共演できて光栄でした。他のみなさんとは本作が初共演でしたが、コロナ禍での撮影だったために5ヶ月間全員同じ場所で生活を共にしていたんです。だからものすごく仲良くなって、いまもみんなでグループチャットを続けているんですよ(笑)。こういうことは一生に一度かもしれないし、とても貴重な経験ができたと思います」

ーーグループチャットではどんな会話をされていたのでしょうか?

「家族のことを話したり、誰かが赤ちゃんの写真を送ってみたり、あと食べ物の話ですよね。『今日はこんな美味しいもの食べたよ』とか(笑)」

ーー最近はどんなことで盛り上がりましたか?

「『自宅でダンスパーティをやるときにどんな曲をかけますか? プレイリストを送ってください!』ってメッセージを送って、各自の好きな音楽のプレイリストをシェアして盛り上がりました(笑)」

ーーめちゃくちゃ楽しそうですね! 本作の話に戻りますが、セットや美術、小物で驚いたことはありましたか?

「CGを使った作品だと、グリーンバックの前で目線をテニスボールに合わせて撮影することが多いのですが、今回はワンシーンだけでした。テニスボールよりも多く共演したのがアニマトロニクスやパペットですね(笑)。

例えば、ケイラとオーウェンが凍った湖の上でピロラプトルに襲われるシーンは人形遣いの方がパペットを一生懸命動かして撮っていたのですが、ずっとスクワットしているからかその方の腿が立派で(笑)。だけど動きが完璧だったので、パペット使いのエキスパートなのが伝わってきました。画面には映っていませんが、そういった素晴らしい方々がこの映画を支えてくださっているんだなと実感しました」

画像: © 2021 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved.

© 2021 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved.

―いまおっしゃった“ピロラプトルに襲われるシーン”の撮影は大変だったのではありませんか?

「あのシーンはイギリスにあるパインウッドスタジオの屋外にセットを組んで撮ったのですが、本当に氷の上にいるんじゃないかと思うぐらいツルツルな素材でできたところを走ったので大変でした(笑)。ケイラがはしごのような場所までダッシュするカットは猛スピードでいくと滑って転ぶ危険があったので、本当は速度を少し落としつつも、そう見えないように工夫しながら走ったりしました。ハラハラドキドキのシーンなのでぜひ注目してご覧いただきたいです」

ー本作はエンタメ作品でありながら、地球に住む生物の共存や環境問題といったことも描かれているように思います。ディワンダさんは本作をご覧になってどのようなことを感じましたか?

「私が子ども時代を過ごした90年代は、環境問題や生き物、自然などをテーマにした子供向けの『フリー・ウィリー』のような映画がたくさん作られていました。そういった作品で得た良識みたいなものは、少なからずいまの自分に影響を与えていると思います。“支配”という言葉が本作のサブタイトルに入っていますが、支配する側が人間だとしたら、自分自身の生き方をしっかりと見つめて、小さなことも大きなことも常に何かを選択するときに考えなければいけないと思うんですよね。

地球に住む全ての生き物には存在する理由があるはずなので、お互いをケアして生きていかなければいけないと、そんなことを本作を観て感じました。実は試写を観たときに感動して泣いてしまったんです。それはきっとエンタメとして楽しんだだけではなく、何か大きなメッセージをこの映画から受け取ったからなんだと思います」

ー本作がきっかけで映画館で映画を観ることにハマる人も多いと思うのですが、ディワンダさんが大きな衝撃を受けた映画を教えていただけますか。

「これまでに一番多く観ている映画は『タイタニック』です。子どものときと大人になってから観るのとでは感じ方も違いますし、観るたびに何かを発見できるんですよね。映画って人の人生を変えてしまうような出会いもあって、特に映画館での鑑賞は一生忘れられない経験になったりもしますよね。今回、プロモーションツアー中にお客さんが劇場で本作を鑑賞する姿を見たのですが、“みんなこの日を待っていたんだな”とすごく感動したんです。私も小さい頃は家族で毎週末に映画館に出かけていたので、そのワクワクする気持ちがわかるんですよね。ぜひ大きなスクリーンで本作を楽しんでいただけたらうれしいです!」

PROFILE 
ディワンダ・ワイズ  DeWanda Wise

1984年5月30日、アメリカ・メリーランド州生まれ。演劇の名門ニューヨーク大学ティッシュ・スクール・オブ・アーツを主席で卒業後、舞台俳優として活動を始める。2007年ごろから映画やテレビに出演するようになり、スパイク・リーが自身の1986年の映画をドラマ化した「シーズ・ガッタ・ハヴ・イット」で注目を集める。クリス・パインの監督デビュー作『Poolman(原題)』や、SHOWTIMEのドラマ「Three Women(原題)」が待機中。

『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』
好評公開中

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