注：固有名詞の表記は「終わらざりし物語」J・R・R・トールキン C・トールキン編 山下なるや訳（河出書房新社）に合わせています。これまでの映画の字幕版とは異なる表記があります。
時代背景は『LOTR』の数千年前
優美なエルフたちが歩く緑の森、青い海を見下ろす巨大な建造物、陽気なホビットたちが畑を耕す黄金色の村── あの『ロード・オブ・ザ・リング（以下「LOTR」）』 の世界を再訪する日がやってきた。映画『LOTR』三部作と同じ“中つ国”を舞台に壮大な物語を描くシリーズ「ロード・オブ・ザ・リング: 力の指輪」がついに開幕する。
時代背景は『LOTR』の数千年前、エルフ、ドワーフ、古き人間たちがまだ勢いを持ち、それぞれ壮麗な都を築いていた時代。この時期には複数の“力の指輪”が造られたが、それはなぜだったのか。『LOTR』の冥王サウロンはどのようにして力を増していったのか。人間の王国ヌーメノールで何が起きたのか。それらの出来事が描かれていく。
本作は、原作との関係がユニーク。物語の基本は、『LOTR』の原作者J・R・R・トールキンが「指輪物語」「シルマリルの物語」などで描いた“第二紀”の出来事だが、原作には歴史書のように概略しか書かれていない出来事が、このドラマでは詳しく描かれる。そして、原作にはないオリジナルの人物も登場し、原作の設定と世界観に基づきながら、独自のストーリーも展開されていく。
また、本作には『LOTR』のピーター・ジャクソン監督はまったく関わっていない。ドラマのクリエイター・コンビは、パトリック・マッケイとJ・D・ペイン。2人は高校時代からの親友で、ハリウッドで一緒に13年間、脚本家として活動。クレジットされていないが『スター・トレック BEYOND』（2016）の脚本にも一緒に参加した。
2人は本作が初の大作で「まるで初めて大きな世界に旅に出るフロドとサムの気分」だと言いつつ、物語が壮大なのでシーズン4か5まで製作したいと発言しており、すでにシーズン2の製作も決定。製作総指揮には『ジュラシック・ワールド／炎の王国』（2018）、『怪物はささやく』（2016）のJ・A・バヨナ監督が参加し、冒頭2話の監督も手掛けている。
出演者は、登場人物たち同様、多彩な顔ぶれ。若きガラドリエル役は、スウェーデン生まれ英国育ち、『セイント・モード／狂信』（2019）のモーフィッド・クラーク。若きエルロンド役は人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」で、ショーン・ビーンが扮したネッド・スタークの青年時代を演じたロバート・アラマヨ。ハルブランド役はTV「メディチ」のチャーリー・ヴィッカーズ。ブロンウェン役はイラン出身、『スキャンダル』（2019）のナザニン・ボニアディ。新鮮な顔ぶれが揃って、今、新たな物語が始まる。
ここに注目！
ポイント1：続々明らかとなる“指輪”の始まり
『LOTR』の物語の中心となったのは“指輪”。映画第一作の冒頭で“指輪”の歴史が描かれ、“力の指輪”が創られて、3つはエルフ、7つはドワーフ、9つは人間に与えられ、サウロンがそれを統べる“1つの指輪”を創ったことが描かれた。それらの指輪はなぜ、どんな経緯で創られることになったのか。それが本作で明らかになる。
ポイント2：舞台は映画の数千年前“第二紀”
原作者トールキンが設定した時代区分では、『LOTR』三部作は“第三紀”、「力の指輪」は“第二紀”の出来事。どちらの“紀”も3000年以上続くので、「力の指輪」は『LOTR』の数千年も前の物語になる。ただしエルフは長寿なので同じエルフたちが登場し、彼らの若い頃が描かれる。また、おなじみの人物の祖先たちも登場する。
ポイント3：映画超え！ 製作費は4億6,500万ドル
配信が開始される前から「力の指輪」は、関連する数字がすべて規格外。本年2月に公開された最初のティザー予告編の再生回数は、公開24時間で2億5700万回という数字を達成。
また、シーズン1の製作費は4億6,500万ドル。時代が違うとはいえ、映画『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の総製作費約2億8,000万ドルに比べると破格の規模だ。
ロード・オブ・ザ・リング: 力の指輪
2022年9月2日（金）配信
2022／8話（シーズン1）
監督：J・A・バヨナ、ウェイン・チェ・イップ、シャーロット・ブランドストーム
出演：モーフィッド・クラーク、ロバート・アラマヨ、ナザニン・ボニアディほか
2022年9月2日（金）よりPrime Videoにて独占配信予定
©Amazon Studios
＊劇場公開された『ホビット』『ロード・オブ・ザ・リング』各三部作もPrime Videoで見放題配信中
