今年の冬も鉄板ジャンル“実話モノ”がアツい！『フラッグ・デイ父を想う日』ほか実話映画5作品をご紹介

2022-12-06

J・M @ SCREEN

映画の鉄板ジャンルといえるのが”実話モノ”。時代を超えて実際に起こった出来事をベースにした映画がコンスタントに公開され、多くの映画ファンを惹きつけているが、今冬も注目作が続々登場。そこで、アメリカ、イギリス、フランス、ウェールズ、ジンバブエという各国から生まれた驚きのストーリーを描いた驚きの実話映画を一挙紹介！

『フラッグ・デイ父を想う日』

ジャーナリストのジェニファー・ヴォーゲルが2005年に発表した回顧録「Film-Flam Man: The True Story Of My Father‘s Counterfeit Life」をもとに、大好きな父親が実は犯罪者だったという衝撃の実話をその娘の視点で映画化。1992年、全米にショッキングなニュースが流れる。アメリカ最大級の贋札事件の犯人であるジョンが、裁判を前にして逃亡したのだ。彼にはジェニファーという娘がいた。父の犯罪の顛末を聞いたジェニファーは、こうつぶやく──「私は父が大好き」。史上最高額の贋札を非常に高度な技術で偽造したジョンとは、いったいどんな男だったのか？温かく正しいものだけが家族の絆ではなく、問題を抱えた不完全な人間を愛することができる美しさでもあると、観る者の心を激しく揺さぶる真実の物語。

アカデミー賞®主演男優賞を2度受賞した名優ショーン・ペンが、構想15年をかけて監督・主演を果たし、初めて自身の監督作に出演を果たした。ショーンは、最初に脚本を読んだ時から本作を撮りたいと考えていたという。さらにこの物語について「家族の繋がりを描く物語に激しく心を揺さぶられた。これはすべての人が、人生に存在する様々な馴染みのあるテーマを見出すことのできる物語だと思う」と讃え、物語への愛着がこれまで取り組んだことのない監督と主演を同時にこなす決断をもたらしたという。

ショーンが演じるジョンの娘ジェニファーには彼の実娘であるディラン・ペン。父と娘の日々を実際の父と娘の共演により描かれるのも注目ポイントだ。

12月23日（金）TOHOシネマズシャンテほか全国公開
配給：ショウゲート
© 2021 VOCO Products, LLC

『ドリーム・ホース』

ひとりの主婦と片田舎の小さなコミュニティで育てた馬が最高峰のレースに挑む姿を描く、おとぎ話のような奇跡の実話が待望の映画化。イギリス・ウェールズ、谷あいの小さな村。夫と二人暮らし、パートと親の介護だけの “何もない人生”を送っていた主婦ジャン。

ジャンは馬主経験のあるハワードの話に触発されて競走馬を育てることを思いつき、村のみんなに共同で馬主となることを呼びかける。週10ポンドずつ出しあって約20人の馬主組合となった彼らの夢と希望を乗せ、“ドリームアライアンス（夢の同盟）”と名付けられた馬は奇跡的にレースに勝ち進み、彼らの人生をも変えていく。出演は、実力派女優トニ・コレット、ダミアン・ルイス。

2023年1月6日（金）新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国新春公開

『ルイス・ウェイン生涯愛した妻とネコ』

夏目漱石の「吾輩は猫である」に登場する絵葉書の作者だとも言われている、英国で爆発的な人気を博したネコ画家ルイス・ウェイン。19世紀末から20世紀にかけてイギリスで大人気だった彼は、い一体どんな人物だったのか。ネコを描き始めたのには、周囲からの大反対のなか結婚した妻エミリーの死後まで続く愛、そして親友であり人生の師でもあるネコのピーターとの物語があった。出演は、ベネディクト・カンバーバッチ、クレア・フォイ（『ファースト・マン』）。

好評公開中
配給：キノフィルムズ
©2021 STUDIOCANAL SAS - CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION

『あのこと』

2022年度のノーベル文学賞を受賞した作家アニー・エルノーが自身の実話を基に書き上げた短編小説「事件」を映画化。舞台は1960年代、法律で中絶が禁止されていたフランス。望まぬ妊娠をした大学生のアンヌが、自らが願う未来をつかむために、たった一人で戦う12週間が描かれる。主演は本作でセザール賞を受賞したアナマリア・ヴァルトロメイ。2021年開催のベネチア国際映画祭では金獅子賞を受賞している。

『チーム・ジンバブエのソムリエたち』

“ワイン真空地帯”のジンバブエ共和国から、4人のソムリエが「世界ブラインドワインテイスティング選手権」に初参戦する珍事を描いたドキュメンタリー。ジンバブエから南アフリカに逃れた難民かつ黒人の“チーム・ジンバブエ”を迎え撃つのは、“神の舌を持つ”23カ国の一流ソムリエたち。

先進国の白人が多数を占めるスノッブな世界に、4人のソムリエは故郷ジンバブエの威信をかけて乗り込む。クラウドファンディングの支援を受けてワインの聖地フランスのブルゴーニュにたどり着いたものの、限られた経費で雇ったコーチは久し振りの晴れ舞台で大暴走。浮き足立つ“チーム・ジンバブエ”の波乱に満ちたスリリングなワインバトルの結末はいかに！？　2021年トライベッカ映画祭ほかで観客賞を受賞。