名匠サム・メンデス監督の最新作は、映画と映画館、そして監督自身の人生にオマージュを捧げたヒューマンドラマ『エンパイア・オブ・ライト』。メンデス監督が多感な時期を過ごした1980年代を舞台に、困難な時代の中でも人生にさす温かな光を描き出す。

名優オリヴィア・コールマン他、アカデミー賞受賞歴のある名優・スタッフが集結

苦難の中にさし込む光のように、誰かにとっての一筋の光となりうる作品

画像: 苦難の中にさし込む光のように、誰かにとっての一筋の光となりうる作品

イギリスの静かな海辺の町・マーゲイト。地元の人々に愛される映画館“エンパイア劇場”で働くヒラリーは、過去の辛い経験から孤独に生きていた。ある日映画館に、大学で建築を学ぶ夢を抱くスティーヴンという黒人青年がスタッフに加わり、ヒラリーはスティーヴンに仕事を教えることになる。明るく前向きなスティーヴンに彼女は心を開いていき、彼も自分の夢を応援してくれるヒラリーに好意を抱くようになる。やがて二人は心から愛し合う関係になるが、ヒラリーが抱えてきた心の闇、そして人種差別の激化が二人に思いがけない試練を与える……。

ヒラリー役を演じるのは『女王陛下のお気に入り』(2018)でアカデミー賞主演女優賞に輝いた名優オリヴィア・コールマン。本作では「キャリア最高の演技」との呼び声も高い、感情たっぷりの演技を披露している。

スティーヴンにふんするのは、2020年に英国アカデミー賞でライジング・スター賞を受賞したジャマイカ出身の新鋭マイケル・ウォード。共演は、支配人エリスを演じるコリン・ファースをはじめ、ベテラン映写技師役のトビー・ジョーンズなど実力派英国俳優たちが脇を固める。

スタッフにはメンデス監督をはじめ、ベテラン撮影監督ロジャー・ディーキンスや、音楽のトレント・レズナー&アッティカス・ロスらアカデミー賞受賞歴のあるスタッフが集結。仲間や映画といった、苦難の中にさし込む光のように、誰かにとっての一筋の光となりうる作品を生み出した。

【注目】"光と闇"をあやつる撮影監督ロジャー・ディーキンス

画像: 映画館を舞台に描かれる、人生にさす一筋の光『エンパイア・オブ・ライト』

撮影監督は、メンデス監督と5度目のタッグとなる盟友ロジャー・ディーキンス。『ブレードランナー2049』(2017/ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作)、『1917 命をかけた伝令』(2019/メンデス監督作)でアカデミー撮影賞を受賞したディーキンスは、本作でも光と闇が記憶に残る画を連発。第95回アカデミー賞にもノミネートされている。心が乱れるヒラリーを捉えるシーンでは、裸電球を使って強い光を当て彼女がもがく姿をさらけ出すなど心情を光と影で魅せる。

▽登場人物

ヒラリー(オリヴィア・コールマン)

画像1: ▽登場人物

エンパイアのマネージャー。過去の出来事から心に闇を抱える。映画は観ないが詩が好き。

スティーヴン(マイケル・ウォード)

画像2: ▽登場人物

映画に魅了される、エンパイアの新入りスタッフ。大学で建築学を学びたいと思っている。

【インタビュー】サム・メンデス監督の経験が大いに反映された脚本

画像: 【インタビュー】サム・メンデス監督の経験が大いに反映された脚本

マイケル・ウォードが「キャリア、語られるストーリー、若き黒人男性にとっての意味といった面から、すべての要素がとても魅力的」と絶賛する本作の脚本。メンデス監督は物語の起点について次のように語っている。

「この映画を作った本当の動機は、目の前で精神が錯乱する人を見て育ったという事実です。ヒラリーの土台となっているのは一緒に暮らしていた私の母親です。長いあいだ、周期的に発作が起きても、私と母には成す術もありませんでした。10代の頃からずっと心に引っかかっているもう一つのことは、当時の人種政策です。それが私の政治的な見解を形成しました。私にとっては映画館が、この映画の登場人物と同じように、暮らしの憂さから逃れられる場所でした。この映画は映画への賛歌だ、と言う人もいますが、それだけではありません。映画が、挫折したり、落ちこぼれたりした人を再び立ち上がらせる力があることを表現したんです」

エンパイア・オブ・ライト
2023年2月23日(木・祝)公開

アメリカ=イギリス/2022/1時間55分/ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:サム・メンデス
出演:オリヴィア・コールマン、マイケル・ウォード、トビー・ジョーンズ、コリン・ファース
©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

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