“ジョン・カーペンターには『自分自身の作品を作れ』と常に言われた”
ーー78年版の40年後を描いた2018年公開の『ハロウィン』を観た時に、“これが私の観たかった続編だ!”と思ったのですが、監督の中でジョン・カーペンター監督の『ハロウィン』はどのような存在だったのでしょうか。
「子供の頃に観た『ハロウィン』は、ホラー映画の面白さに気づかせてくれた作品でした。それぐらい僕にとって大きな存在である『ハロウィン』の続編を、カーペンター監督と一緒に作ることができて夢が叶ったような気分でした」
ーー18年版の『ハロウィン』のBlu-rayの特典映像には、カーペンター監督が現場に来られた様子が収録されていました。カーペンター監督とお話しされた中で印象に残った言葉やエピソードがあれば教えていただけますか。
「監督が常におっしゃっていたのは、『自分自身の作品を作れ』という言葉でした。それはつまり、他人が期待するものに心を突き動かされるのではなく、自分のインスピレーションを大事にしながら映画を作りなさいという意味なんですよね。その言葉に背中を押されながら撮影を進めていきました。あと印象に残っているのは、監督が作曲された「HALLOWEEN THEME」などを含む劇伴を、どのタイミングで流すか決めていく時のエピソード。僕が「ここは音楽はいらないですよね」と言うと、カーペンター監督が「いや、ここは音楽があった方がいいと思う」とおっしゃったことがあって(笑)、監督の音楽に対する物凄いこだわりを感じました」
ーー確かに78年版、そして新三部作はどれも「HALLOWEEN THEME」が流れた瞬間に鳥肌が立ちました。
「そういう感想はとても嬉しいです。「HALLOWEEN THEME」は、ホラー映画に初めて触れた時のワクワクする瞬間を思い出させてくれるので、劇中でつい何度も使いたくなってしまうんです。だけどカーペンター監督は、「HALLOWEEN THEME」が効果的に感じられるシーン以外は使うべきではないと強くおっしゃったんですよね。それは本当にそうだなと思いましたし、とてもいいアドバイスを頂けたことに感謝しています」
ーーカーペンター監督と密にコミュニケーションを取りながら作ったからこそ正当な続編が完成したのですね。
「本作のおかげでカーペンター監督とは素晴らしい時間を共有できたと思います。監督は現場に来られただけではなく、編集段階の映像もチェックしてくださいましたし、サウンドミックスにも立ち会ってくださいました。それはとても楽しい経験だったので、また違う作品でもご一緒してみたいです」
『ハロウィン THE END』
配給:パルコ ユニバーサル映画
2023年4月14日(金)、TOHOシネマズ 日比谷、渋谷シネクイントほか全国公開
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