主人公ジューン役を演じたストーム・リードについて
アニーシュ・チャガンティ(プロデューサー/原案)
私たちは『search/サーチ』でテクニカルな視点でさまざまなトリックやギミック、スタイルを試しましたが、それをしっかりと支えてくれたのは父親役を演じたジョン・チョーの演技でした。
今回も作品を支えてくれる強力な俳優が必要だということは早い段階からわかっていました。観客は作品全体を、主人公ジューンの指や目、彼女の脳を通して見るわけですから。
若い役者で、幅広い感情表現ができる人をどうやって見つけるのか。しばらくの間、行き詰まっていましたが、ストームの名前にたどり着き、当時の彼女のフィルモグラフィを見て、「彼女になら任せられる」ということになったのです。
ナタリー・カサビアン(プロデューサー)
母親の行方が分からなくなったものの、FBIから「立件できるような事件ではないので、捜査できない」と言われるなど、ジューンはさまざまな壁にぶち当たります。それでも彼女は断固として母親探しをあきらめない。そういうキャラクターの枠にストームはきっちり収まる女優です。幅広い感情を表現して、難しい役どころをしっかりと演じきってくれました。
また冒頭の状況が悪化する前の場面での彼女を見ていると、本物のティーンエージャーを見ているようで、本当に楽しい気持ちになれます。もちろん、彼女自身も実際にティーンエージャーですけれどね(笑)。すごく素敵な人であることがスクリーンからも伝わってくると思います。
ウィル・メリック(監督)
ストーム自身がジューンと同い年です。あの年齢で同じ年頃の役を演じつつ、作品全体の重みを背負うことができる人を見つけることができてラッキーでした。そういう人を見つけられるとは限らないですからね。
ニコラス・ジョンソン(監督)
この映画で何よりも素晴らしく、光栄だったことは、ストーム・リードと仕事ができたことです。彼女は実年齢よりもはるかに大人でした。
会った途端、彼女の感情の奥行き、成熟さ、彼女自身の感情に触れてそれを繊細に表現する力に驚かされました。彼女がジューンに与えてくれた深みは、私たちが脚本に書いたものを超えていました。
映画館で『search/#サーチ2』を観ることについて
ニコラス・ジョンソン(監督)
誰もが知っているアプリを映画の舞台装置にして、大きなスクリーンで見るからジューンが最高の主人公になるです。というのも、彼女はごく普通のティーンエージャーで、若い観客が共感できるようなごく普通のアプリを使っています。
ナタリー・カサビアン(プロデューサー)
この作品はぜひ映画館で観てほしい。なぜなら、文字通り手に汗握る映画で、みんなで一緒に観ると周りの人が息をのむ音、ささやいている声が聞こえ、観客のエネルギーとさまざまなツイストが合わさって、より刺激的になるはずだからです
<PROFILE>
ウィル・メリック WILL MERRICK (監督・脚本)
アメリカ/ノースカロライナ州出身。LAを拠点に活動するフィルムメイカー。
2015年に南カリフォルニア大学を卒業。その斬新なアイデアで話題となったアニーシュ・チャガンティ監督の『search/サーチ』(2018)の編集をニック・ジョンソンとともに手がけた。続いてアニーシュ・チャガンティが監督した『RUN/ラン』(2020)でもニックとともに編集を担当する。アニーシュが注目されるきっかけとなった、Google Glassだけで撮影した2分半の短編映画"Seeds"の編集もウィルだった。
本作『search/#サーチ2』では、ニック・ジョンソンと共に監督・脚本を手がけ、監督デビューを飾った。
ニック・ジョンソン NICK JOHNSON (監督・脚本)
アメリカ/ミズーリ州セントルイス出身。南カリフォルニア大学の映画芸術学部を卒業後、アニーシュ・チャガンティ監督の『search/サーチ』(2018)の編集をウィル・メリックとともに手がけ、批評家たちからその革新的な編集と映像スタイルが絶賛された。続いてアニーシュ・チャガンティが監督した『RUN/ラン』(2020)でもウィルとともに編集を担当する。本作『search/#サーチ2』で、ウィル・メリックと共に脚本家および監督としてデビューを飾った。
その他、ラッパーのベリーのミュージックビデオ“Belly Feat. Travis Scott: Money Go”(2016)なども手がけている。
アニーシュ・チャガンティ ANEESH CHAGANTY (プロデューサー・原案)
インド系アメリカ人。南カリフォルニア大学で映画製作を学ぶ。23歳 の時、Google Glassだけで撮影した2分半の短編映画"Seeds"が、YouTubeで24時 間の間に100万回以上再生されネットでセンセーションを巻き起こした。この成功で、 NYのグーグル・クリエイティヴ・ラボに招かれ2年間グーグルのCM制作などに携わる。劇場用映画デビュー『search/サーチ』は、100%すべてPC画面の映像で展開するサスペンスという斬新なアイデアが話題となる。 第2作『RUN/ラン』(2020)に続き、現在は三作目の脚本を執筆中。
セヴ・オハニアン SEV OHANIAN (プロデューサー/原案)
アルメニア系アメリカ人の脚本家・プロデューサー。『ブラック・パンサー』の監督ライアン・クーグラーとその妻ジンジ・クーグラーとともにProximity Mediaを設立。アニーシュ・チャガンティ監督の『search/サーチ』(2018)では共同脚本と製作を担当、映画は世界的な大ヒットとなった。続いてアニーシュ・チャガンティが監督した『RUN/ラン』(2020)でも共同脚本・製作を担当した。
その他の製作作品にはアカデミー賞作品賞にもノミネートされた『ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償』 (2020)、『スペース・プレイヤーズ』(2021)などがある。次回作は、“Creed III” (2023)とマーベルの新作ドラマ“Ironheart” (2023)。
本作のプロデューサーの一人であるナタリー・カサビアンと2020年に結婚した。
『search/#サーチ2』4月14日(金)全国の映画館で公開