“家族とは何なのか”。23年前に土星から調査に来て、地球人に成りすましていた宇宙人が妹、弟にその事実を告白し、事情を知っていた兄も含め、みんなで残された時間を家族として奮闘する。映画『宇宙人のあいつ』はドラマ「REPLAY & DESTROY」(2015年)の緩いノリで中村倫也、伊藤沙莉、日村勇紀、柄本時生が4兄妹弟を演じたハートウォーミングなコメディです。企画を立ち上げ、脚本を書いた飯塚健監督にキャストや作品に対する思いを語っていただきました。(取材・文/ほりきみき)

随所に散りばめられた遊び心

──ところで、夢二は長男なのに「二」という漢数字が使われているのは、何か意味があるのでしょうか。

日村さんの奥さまからも同じ質問をされたのですが、“真田家には夢二の前に産まれてすぐに亡くなった子どもがいた”という設定が僕の中にはありました。兄弟たちの両親は遺影でしか出てきませんが、大切な子どもを幼くして喪い、壮絶な葛藤があった。そんな中、やっと2人目の子どもを迎え、とても喜びながらも、亡くした子どものことも決して忘れないように、「二」という漢字がついた名前をつける。そういう親であってほしい。

夢二も親の気持ちを咀嚼して、親が亡くなったときには妹や弟の親代わりになるという思いが自然と湧いてきた。両親や夢二が日出男を受け入れる気持ちになれたのも、そういうことがベースにあったと考えています。

実は僕も3兄弟の長男ですが、すぐ下の弟は生後10ヶ月くらいで亡くなりました。僕はまだ幼かったので、その弟の顔を覚えてはいませんが、家に位牌はあります。いたんだなというのも感じていました。そういう気持ちを何かで表現してみたかったのです。

画像: 随所に散りばめられた遊び心

──これから作品をご覧になる方にひとことお願いします。

「家族とは何かを知る」ということをベースにしつつ、隅々まで遊んでいます。1回では気づけないかもしれませんが、思い切って何度もご覧いただくと、「あれは!」と思って貰えることもあるんじゃないかな。

家族って一緒にいると鬱陶しい気持ちになることもあるけれど、離れるとすごく大切に思えるもの。親元を離れて一人暮らしを始めるとホームシックになるのはそういうことだと思います。この作品を見て“一緒にいるときこそ、優しくありたい”と思って、自分の家族との接し方を見つめ直す機会にしていただけるとつくった甲斐があるってもんです。

<PROFILE>
監督:飯塚健

1979年生1月10日生まれ、群馬県出身。2012年の監督・脚本作『荒川アンダーザブリッジ』で注目を集め、「イロドリヒムラ」(12ドラマ)、『風俗行ったら人生変わったwww』(13)、『大人ドロップ』(14)、「REPLAY&DESTROY」(15ドラマ)、『笑う招き猫』 (17ドラマ、映画)、『榎田貿易堂』(18)、『虹色デイズ』(18)と幅広いジャンルをカバーする。近年の映画作に、『ステップ』(20)、『FUNNY BUNNY』(21)、『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』(21)、『野球部に花束を』(22)。また、ブルーノートジャパンとの会場一体型ライヴショウ「コントと音楽」や、絵本の出版などボーダレスな活動を続けている。

『宇宙人のあいつ』2023年5月19日(金)全国ロードショー

画像: 映画『宇宙人のあいつ』本予告編解禁!【5月19日(金)公開】 www.youtube.com

映画『宇宙人のあいつ』本予告編解禁!【5月19日(金)公開】

www.youtube.com

<STORY>

家族になりますまして23年―。

人間の生態を調査しに土星から来た宇宙人は、真田家の四兄妹の「次男・日出男」として暮らしていた。兄弟の親代わりで女性とは無縁の長男・夢二、DVの彼氏から離れられない長女・想乃、高校時代の同級生から復讐される三男・詩文…。喧嘩もするが助け合う兄弟たち。家族というものがわからない日出男は、夢二から教えてもらう。

「……兄ちゃん、家族って何?」
「自分よりも、大切なものがあるってこと。」

毎日一緒にご飯を食べ、働き、慌ただしい日々の中、地球を離れる日が近づいてきてしまう。日出男に残された時間は、あと3日間。人間として“やり残したこと”への日出男の奮闘が、今始まる!

<STAFF&CAST>

監督・脚本:飯塚健

出演:中村倫也、伊藤沙莉、日村勇紀(バナナマン)、柄本時生、関めぐみ、千野珠琴、細田善彦、平田貴之、山中聡、井上和香、設楽統、山里亮太

配給:ハピネットファントム・スタジオ
©映画「宇宙人のあいつ」製作委員会

公式サイト:https://happinet-phantom.com/uchujin/#modal

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